偶然そこに足向いたとしか言いようが無い。

 ただ、三咲の町の近くを通ったからとか。

 そう言えば、明日は雨だから外を歩くの嫌だとか。

 ただ、姉貴の近くにただ単に普通の人が居たとか。

 そう言えば、お腹がすいて、焼肉屋大帝都に行こうと思ったとか。

 ただ、今回は姉貴に喧嘩を仕掛けるのもあきたとか。

 そう言えば、焼肉屋大帝都で記録更新だざまあみろ、姉貴とか。

 ただ、管理地に仕事がなかったとか。

 そう言えば、魔道元帥ゼルレッチに何か言われていたようなとか。

 そういった偶然と気まぐれが重なって、奇跡的にあの子のその後を見に行こうと思ったに過ぎなかった。









気まぐれな風が吹くままに。

 青子が気まぐれでそう思ったころ、アルクェイドと秋葉は志貴に怒られていた。  時間は夕暮れ。日が沈むか沈まないかと言う時間帯。  場所は、遠野のお屋敷のリビング。まわりは驚くほどにぼろぼろだった。  中央に仲良く並んで正座、そしてショボーンとしてる秋葉にアルクェイド。  原因は志貴のメガネをアルクェイドが踏みつけたことにある。  もっとも、わざとではない。  経緯を説明すれば、初めはただのお茶会だった。雰囲気は殺伐としていたが。  アルクェイドが秋葉をからかう。  もちろん、たきつけたのは割烹着の悪魔。  熱くなる秋葉にアルクェイド。  その言葉を要約すると、志貴を拘束しすぎ、嫉妬もここまで来ると見苦しいよね。  何ですって、この未確認生物! と言うのが発端。  さりげなく、黒猫とメイドが頷いていたのは見逃された。  いや視界に入っていなかったのかもしれない。  一人と一匹が、どちらに頷いたのか判らないのはいつもの事。  息がぴったりな黒猫とメイド、彼女達の仲は良好といっても良いのかもしれない。  そして、アルクェイドと秋葉が居間で喧嘩を開始。  一定時間後、熱くなった秋葉、檻髪発動。アルクェイド戦闘形態に移行して応戦。  身の危機を感じた事から割烹着の悪魔とメイドと黒猫、居間から避難。  酷い音が鳴ったのは言うまでも無い。物音に驚いて部屋から降りてきた志貴。  2人と1匹の静止の言葉に志貴は笑顔を返しつつ、居間の扉を開ける。  開けた瞬間に志貴のメガネが秋葉の檻髪で飛ばされ、地面に落下。  それが落ちただけならば、志貴も笑って許しただろう。  だが、ペキっと言う音が鳴り響く。  落ちた場所が悪かった。アルクェイドの避けた先。  そこに、志貴のメガネが落ちたのだから。  アルクェイドの足の下には志貴のメガネ。  誰もが、あっと思ったときには遅かった。  通常ならこんな音が鳴らないはずの、ずば抜けた強度を持つメガネが音を立てる。  その瞬間。周りの時間が止った。  アルクェイドが戦闘のために高速で移動していたせいもあるのだろう。  秋葉の檻髪で熱を略奪された為もろくなっていたとか、そういった見方も出来るかもしれない。  色々な要因が重なった不幸な事故。  そうして、志貴の説教に突入したのだった。  ちなみに、これはかなり稀な事だという事は言うまでも無いだろう。 「それで……聞いているのか?」  現在、志貴のメガネを見ているのはシエルとシオンだ。  何故かと言うと志貴のメガネは魔眼殺し。この一点に尽きる。  呪術、魔術的なアイテムなのだから街の眼鏡屋さんに行くわけにもいかない。  それに、フレームにあわせてレンズを削られるのは勘弁だった。  両者とも興味深そうにあれこれ論議しながらメガネをいじっている。 「兄さん……確かに私も悪いですが……」 「秋葉も、そのくらいで怒るなよ……」 「すいません……」    普段とは逆の立場で秋葉も反省している。  確かに今回は大人げ無かった、と。  現在、志貴はメガネが無いので包帯で目をぐるぐる巻きにしていた。  その包帯はシオンが研究の途中で製作した副産物。  見た目は普通の包帯だが、端に小さく呪が編みこまれ魔的や呪的な効果を抑えるもの。  魔眼殺しが飛びぬけているせいだが、少しの間なら代用が効く。  もっとも、視界は0になるが。  だが、志貴はメガネをはずした状態で物を見ると調子がとたんに悪くなる。  それならば、直死の魔眼の発動を抑えたほうが良い。  志貴自身がそう判断して、シオンとシエルに連絡した際に出てきた提案を志貴が選んだ結果だった。 「元気なのは良いんだけど……この後の掃除とか誰がするのか考えて今度から喧嘩してくれ」 「あは〜、そうですよね〜」 「くっ……琥珀……」 「姉さんは関係ないじゃないですか。屋敷内の掃除は私の仕事です」  翡翠の突っ込みにレンがさりげなく頷いた。  ふう、と翡翠は溜息を吐いてから更に続ける。 「姉さん……ガムテープで誤魔化しても壊れたものは元に戻らないのですよ?」 「ひ、翡翠ちゃん?」 「あら、それはどう言う事なのかしら? 詳しく聞きたいわ。翡翠」 「秋葉はそれよりも先に、もう少し反省するべきだろ?」 「は、はい」  琥珀もちょっとこの辺りになってちくちくと罪悪感を感じ始めている。  まさかこんな結果になるなんて、といった感じで。  あ、あは〜、と誤魔化す琥珀。  志貴の右を翡翠が支え、左にレンが陣取っている。2人はいつもの表情であった。  それでも、2人+αを呆れているのか、表情が硬い。  お互い内心では溜息を吐いているのかもしれない。  いつもの事ですけどよく飽きませんね、と。  大体の黄金パターンが琥珀がたきつける。  アルクェイド、シエル、秋葉の内の2人もしくは3人が喧嘩を開始する。  ごくたまに、シオンも参戦。(時折さつきが酷い目にあっているのを志貴は知らない)  喧嘩をする場所は主に庭だが、最近どんどん見晴らしがよくなっていく。  それも木をなぎ倒して戦闘をすることが多いからだ。  遠野家の当主がそれに参加しているのだから、文句は出ない。  もっとも、参加していない時は文句を言うが。  志貴が止めに入って怪我をして、翡翠とレンが治療、そこで喧嘩が終了する。  怪我の度合いが酷い時はシエルも治療に参加。  もっとも志貴はあまり怒らないが、今回は別だったようだ。  そんな折、アルクェイドが嫌そうな顔で窓の外を見た。  視界が0の状態でそれに気がつく志貴も志貴だが。 「アルクェイド! 聞いているのか?」 「え? あ……ごめんなさい」 「全く……次からは注意してくれよ?」 「はい……」 「ごめんなさい……」  志貴に説教されて、更に小さくなる秋葉とアルクェイド。  秋葉よりも短い時間で、説教が終了したのは言うまでも無い。  シエルとシオンが、説教が終わったのと言う視線を志貴に注ぐ。  どうやら志貴は人の気配には敏感らしく、すぐにそちらの方を向いた。 「先輩、シオン。何か問題があった?」 「レンズ自体には傷一つ無いですね。これを作った人はよほどの凄腕でしょう」 「しかし、フレームが変形していたる所に皹が入っています。刻まれていた強化の魔方陣が壊れたせいですね」  シエル、シオンの順で志貴の問いに答える。  実際、レンズは無傷であるがフレームは酷い事になっていた。  唯一の救いはまだレンズが使用できると言うことだろう。  その報告を聞いて更に身を小さくする秋葉にアルクェイド。 「修理には……強化の魔法陣をつけなくて一晩」 「つけると……そうですね。3日くらいかかるでしょうね」 「そんなにかかるのか?」 「実際に強化の魔法陣を刻むのはそんなに時間は掛からないのです」 「志貴、問題は材料なのですよ。材料があれば修理には1日ですね」 「その材料は私の方で手配しますから、修理をお願いします」  秋葉が痺れた足を気にしながらシオンとシエルに言う。  シオンはいつもの表情で、シエルは微妙に嬉しそうだった。  シエルのその嬉しそうな表情を見て、秋葉は眉間に皺を寄せるがそれ以上は行動を起こさない。  流石に、怒られた直後に何か行動を起こすほど配慮に欠ける訳ではない。  材料を聞いてすぐに手配をする秋葉と琥珀。  いつの間にかにアルクェイドは居なくなっていたが、誰も気がつかなかった。 「あは〜、その材料でしたら今晩にでも届きますよ〜」  その外では、トランクから新型のビデオカメラを出して映像に記録している青子が居た。  笑うのを我慢しての、撮影だったのは言うまでも無い。  被写体は初めこそ、志貴だったが途中からアルクェイドに取って代わっていた。  あの、真祖の姫君が種族的にはただの人間(反則的な魔眼を持っているが)に説教されているのだ。  それも、あんなのがっかりそうな顔をして。  ネコが目の前でエサを取り上げられて抗議しているような表情。  不機嫌そうにこっちを見たが、志貴に注意されて更に表情をショボンとさせた。  それが更に青子の笑いを誘発させる。 「わ、笑ったら駄目よ……」  身をくの字にして笑いたいが、流石にそれをすると決定的な瞬間が逃げてしまう。  ちょっとした因縁があるが、それを差し引いても笑ってしまう光景だ。  他の吸血鬼がこれを見たら、驚愕で目が見開かれるだろう。  青子はアルクェイドが気がついている事に関して言うと百も承知だった。  もっとも、そう仕向けている部分もある。  興味あるいは目的が志貴から、志貴の回りの女性達に移っていた。 「うーん、力は力を呼ぶけど……これはどうかと思うわね」  周りには一人として、普通の女性がいない。  何かしらの特殊能力、または何かしらの特殊な環境に居る(居た)者ばかりだ。  何かアドバイスを間違えたか本気で心配してしまいそうな勢いだった。  そのまま、気配を極力消して、観察に移る青子。  撮影のベストポジションを探して移動をしている最中に、アルクェイドが向かってきていることが解った。  しょうがなく、位置を森の奥へと変更する青子。  音も立てずに高速で森の奥へと走る。  気配はきっちりと等間隔を置いて追ってきていた。  間違いなく、アルクェイドだ。  初めから逃げる気もなく、意識をからかう事に集中させる。  そして、かなり屋敷から離れてから青子は足を止めて振り返った。 「ブルー、何しに来たの?」  アルクェイドが開口一番に殺気を込めた声で言う。  何か変なことを言えば、容赦しないと言う意味を込めて。 「特に用と言う用は無いわ」 「じゃあ、何故?」 「何故? 理由無く来てはいけないのかしら? 少なくとも私は志貴の恩人なのだけど?」  殺気をさらりと避けて涼しい顔で言う青子。  アルクェイドは未だに殺気を収めていない。むしろ、強めている。  周りに生息する生き物に、植物は呼吸する事さえやめた。  気温が下がって行くような錯覚にさえとらわれる。 「じゃあ、志貴から等価を回収しに来たの?」 「等価交換? やめなさい、魔術師と私を同列に扱うのは」  青子はさも心外だという顔をする。確かに、魔術師の等価交換は基本だ。  だが、それが通用する世界と通用しない世界があることをアルクェイドは知らない。  受けた価値を忘れずに、等価以上を払おうとする世界もある。  受けた価値さえも忘れて、ただ毟り取ろうとする世界もある。  青子はそれを知っており、アルクェイドは知らなかった。 「それはあくまで魔術師の現実。私は魔術師と交渉する時はそのテーブルにつくけど」 「え?」 「お忘れ? 私が何者かを」  呆然としたアルクェイドを見るのが楽しいのか、それともアルクェイドの言葉を侮辱と取ったのか。  うっすらと笑みを顔に張り付かせた青子。  しかし、目だけは笑っていなかった。 「あくまで、人によるわ。等価交換するかはね。それよりも、真祖の姫は志貴にぞっこんなのね?」  いきなり話を変えられて、目を白黒させるアルクェイド。  にやり……そういった音が正しいだろうか?  まさに、そんな感じの表情を一瞬だけしてすぐにもとの表情にも戻る。  アルクェイドは虚を突かれて、それに気が付けない。 「え? ブルーからもそう見える? 志貴が私にぞっこんだって」  青子の質問を聞いていたのか、それとも意識的に間違えたのか。  なんとも面白い間違いをしているアルクェイド。  訂正する気にもなれない青子は無言でビデオを回し始めた。  もちろん、アルクェイドは自分の世界に埋没していて気がつかない。  身をくねくねさせて、何かを想像している。  青子は、変り過ぎたアルクェイドに困惑し、笑いを堪えた。 (あの戦闘機械が、こんなに変るなんて……駄目、笑っちゃ駄目)  戦闘にはならないが、目の前で飽きる事無く、くねくねするアルクェイド。  ここで、青子はふと思った。  先ほど集まっていたメンバーは志貴を中心にしていた。  と言う事は、全員が恋敵と書いてライバルと読むのかもしれないと。 「でも、最近志貴は私を相手にしてくれないんだよねー」  話している相手が誰なのか解っているのかいないのか。  先ほどまで放っていた殺気はどこかに霧散している。  青子も呆れるほどの変わり身だった。 「それで、時間がたってるけど、ここに居て良いのかしら?」 「え?」  時間はきっちりと経っている。それも容赦なく。1時間ほどだった。  なんと言うか、知っている人間にのろける時間はすぐに経つらしい。 「こんな事ばっかりしてたら……志貴は誰かに取られるかもね?」  ぴき、とアルクェイドの動きが止った。  何かを考えるような仕種を瞬間だけ見せて青子の前から消えた。 「そんな事はさせない!」  ちなみに、アルクェイドが帰ってくるまでの間に遠野家のメンバーは夕食を食べていた。  リビングとその隣の台所が凄い事になっていて、しょうがなく離れでの食事に決まる。  リビングと台所が直るのは、明日の朝以降だった。  琥珀と翡翠は先に離れに行って、掃除と食事の用意を始めている。  離れに居る翡翠からの連絡があってからの移動である。  志貴をレンが先導して、その横をシエルが支えた。  シオンと秋葉はなにやら相談しながら、志貴の後を追っている。  志貴の横にシエルが居ることに多少苛立ってはいるが、ぐっと我慢していた。  視界がゼロなのだから誰かが隣で支えていなければ、すぐに転んでしまう。  それが解っているだけに、ちょっと口惜しい、と言った所か。  ゆっくりと歩く、志貴達を追い抜いて先に離れに到着する秋葉とシオン。 「あは〜、離れを直して置いてよかったですね。秋葉様」 「えぇ、リビングが直る間までここで生活するのも良いかもしれないわね」 「……秋葉様、ここでは泊まれて3人まで、です」 「解っているわ、翡翠。冗談よ」 「しかし、ここでは志貴のメガネを修理する事は出来ませんね」  そんな事を言い合いながら、食事の準備を進める琥珀と翡翠。  秋葉とシオンは詰めの協議をしているのか、議論に余念が無い。  翡翠が皿を出し終わり、琥珀が料理を盛りつけ始めたところで志貴たちが到着した。 「……素朴な疑問なんだけど、俺はどうやって飯を食えばいいんだ?」 『え?』  声を出せないレンと志貴以外の声が重なった瞬間だった。  人の気配に敏感な志貴でも、流石に目に見えなかったら食事は満足に出来ない。 「……気がつきませんでしたね」 「そうですね……あれだけ気配に敏感だと盲点ですよ」 「志貴……嘘を言ってませんか?」 「シオン、こんなことに嘘を言ってどうするんだ?」  それぞれが席について、座っている。  さぁ、頂きますという所でそれが止った。  目の前には湯気を上げている美味しそうな和食メニュー。  シエルはカレーでないことに内心がっかりしていた。もっとも表情には出さないが。  ここで意見を出せば琥珀と泥沼の食べ物議論になるのはわかっていた。  志貴の膝の上に居るレンを撫でている姿を見る限りそのまま食事できそうな勢いである。  レンは気持ちよさそうに志貴に撫でられていた。 「では、志貴様御付の私が失礼して」 『あっ』  今度は、志貴とレンと翡翠以外の声が重なった。  そういい、さっさと志貴の隣に座る翡翠。  さて、その時のそれぞれの表情は似たようなものだった。  遠野家の当主と言うプライドの為に行動が遅れた秋葉は悔しく、そして羨ましそうに翡翠を見る。  琥珀は引きつった笑みを浮かべてあは〜、と翡翠を見ていた。  客人ゆえに表面上の変化は見せないシオン。  しかし、その箸は何もつかむ事は無かった。よほど、動揺しているらしい。  シエルは先ほどまで一緒に歩いていたのだから、と自分を慰めていた。  特等席をとっている黒猫は志貴の膝の上で大きなあくびをしている。  ぐてー、と志貴の上で伸びていた。 「え? 翡翠?」 「安心してください。ちゃんと食べさせてあげますから」  穏やかな笑みを浮かべる翡翠。  急にわたわたする志貴。しかし覚悟を決めたのか、頬を赤くしながら食事が開始された。  その途中の雰囲気はあまり良いものではなかったのは言うまでも無い。  翡翠に食べさせてもらっている志貴を見るのは精神衛生上、良くなかったという事だ。  翡翠にとってみれば、良いものだったかもしれないが。  食事が終わり、それぞれがお茶を飲んでまったりしている頃。  志貴がそういえばといった感じで声を出した。 「えらく静かなんだけど、アルクェイドはどこに行ったんだ?」 「知りません」 「兄さん、別にいいじゃないですか」 「そうですよ、遠野君」  シオンがばっさりと断言し、秋葉がどうでも良いと言い放つ。  それに同意するシエル。呼応するように黒猫は首を横にフルフルと振った。  翡翠も同じように首を振ってから口を開いた。   「存じていません」 「あは〜、静かに食事できる事は良いことですよ」 「そっか、こういう時は必ず居ると思ったけど。意外だな」  ずずずっとお茶をすする志貴。  その動きが止った。  彼の第六感が告げている。ここは危険だと。 「みんなして、除け者だなんて酷いんだニャ〜!」  バリバリっと言う音を発しながら障子が破られる。  アルクェイドが飛び込んできていた。  屋敷に戻ってみたら誰も居ない。除け者にされたと怒り心頭のアルクェイド。  探し回っていたのか、体中に葉っぱをつけている。  森の中を走り回っていたのはよく判った。  その後の展開はお約束どおり。  秋葉、シエルが応戦。琥珀と翡翠、レン、シオンは志貴をつれて避難。  流石に今回は志貴に喧嘩を止めさせるような事はしない。  視界が無い状態で止められるほど、命知らずではなかった。  シオンがさっさと離脱したのは志貴のメガネを治すためでもある。  ちなみに、その光景も青子が一部始終をニヤニヤとしながらビデオに収めていた。  加えて言うと、離れは建て直したほうが早い状態まで破壊された。  これは志貴による仲裁が無かったせいでもある。  流石に戦闘力が凄まじい3人が戦ったのだ。こうなるのは目に見えていたに違いない。  青子は、そんな瞬間を逃す事無く笑みを浮かべてそれをビデオに収めていた。  そんな遠野家の一日が終る。  青子はイギリスに帰ってからアルクェイドが志貴に怒られているテープ+αをゼルレッチに見せたのは言うまでもない。  もちろん、編集してアルクェイド以外があまり映っていないようにしてある。  それをゼルレッチが見て唖然とすると思っていた青子。  その光景を見て満足そうにニヤニヤしてやろうと思っていた。  しかし、見当が外れてテープの内容を見たゼルレッチに笑い転げられる。  予想が外れてちょっと不愉快になった青子だった。
 あとがき  初めに思ってたのと全然違う出来です。  初めは、プロローグの青子先生視点、もしくは第三者視点を考えていたのですが……  書いていて気がつきました。無理だと。  実力が著しく足りてない上に物凄い違和感がぬぐえず断念です。  結局、こんな中途半端な青子先生しかかけませんでした……  無理に青子先生引張ってこない方が良かったかななんて思っている次第です。  ではここまで読んでいただいてありがとうございます。ゆーろでした。
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