―――cuna―――





















  「ねぇ、今度の日曜暇?」
 「え?…暇かな?」
 「そう。じゃあ、どこか行きましょう。」
 「え…そんな……いきなり?てか、もう今日じゃん。」
 「男がそんな細かい事気にしないの。行くの行かないのどっち?」
 「…わかったよ、行きますよ。」
 「よかった。じゃ、おやすみ。」
 「あ、あぁ…おやすみ。」



 情事の後の彼女はいつもこんな感じだ。
 やる事やってさっさと寝る。
 別にそれが嫌ってわけじゃない。
  俺もそんな所に惚れた訳だから。
  でも、寂しいという気持ちはある。
  だったら、言ってみれば?とダチに言われた事がある。
  けど、この気持ちは彼女には言えない。
  俺も男だし、彼女が5コ上で頼れるとしても言えない。
  何と言うか…男としての面子を保ちたい?
  そんな感じかな。
  そんなもの捨ててしまえ!ってどっかで聞いたなぁ。
  捨てたら楽になるかもしれない。
  だけどそれは彼女に負担を掛ける事になる。
  この事を彼女に話したら「存分に甘えなさい…」って囁かれそうだ。
  それはそれでいいかも…。
  普段はクールな彼女。
  SEXの最中はそんな面影は微塵もないけど。
  ふと、隣の寝ている彼女を見る。
  化粧を落として寝ている彼女を見るのは俺だけの特権。
  長く綺麗な黒髪。長い睫毛。赤く綺麗な唇。
  理想的な形の乳房。細くてしなやかな腰。魅惑的な尻。傷一つ無い白い足。
  これだけ綺麗な女性を自分の彼女にできた。
  これ程嬉しい事はない。
  彼女は今まで男と付き合った事がないと言ってた。
  つまりは、俺が初めて。
  もちろん処女だったけど。
  これだけ綺麗なのになんで彼氏ができなかったのか不思議だった。
  その事を聞いてみたら、「遠くからよく観察されてた」とのこと。
  クールで類まれなる美貌を持つ彼女。
  そんな彼女に男達は気後れしたんだと思う。
  実際、俺も付き合い始めた頃は苦労したね。
  余計な事はあんまり話さないから、場を保つのに苦労したとか…。
  今となってはいい思い出。
  あ、あと…「まだ起きてるの?」



  「……寝たんじゃないの?」
  「ん、寝たふり。」
  「寝たふりって…」
  「枕はさっさと寝なさい。じゃないと私が寝れないでしょ。」
  「枕ってあんた…」
  「ほら、さっさとする。」
  「はいはい…」



  彼女は寝る時必ず俺を抱きしめながら寝る。
  夏暑くても必ず抱きついてくる。
  彼女はそれを苦としてないらしい。
  やはり男と女じゃ体の構造が違うからだろうか。
  と、考えてみたりする。
  でも嫌じゃない。
  彼女の温もりが心地よい。
  彼女の吐息が心地よい。
  彼女の髪から香る匂いも心地よい。
  抱きついてる彼女を強く抱きしめる。
  苦しいだろうけど、彼女は文句を言わない。
  肌と肌の触れ合い。
  母親に抱かれて寝た小さい頃を思い出しながら…
  俺は眠りについた。






















     あとがき
  初めまして、ceroという者です。
  この度は年上祀りということで思い切って書いてみました。
  これが初めて書く読み物です。

  思いつくままにつらつらと書いたら、こんな感じに…。
  登場人物の名前ですが、敢えて出しませんでした。
  ない方が色々と想像できるかと思いましたので。
  改めて見ると短いですね…次があればもう少し長めにします…。
  タイトルの意味ですが
  cuna=ゆりかご(スペイン語)
  というわけです。

  
  最後まで読んでくれた皆様、有難う御座います。




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