朝です

 誰が何と言おうと朝です

 ですので祐一さんを起こしに逝きましょう

































 ……行きましょう
























 カチャ、キ〜、バタン




 ゆ、ゆういちさ〜ん

 起きてませんねぇ〜










 すぅすぅ…すぅすぅ…









 しっかりと寝てるみたいですね




 …うふふ















 さて、まずは…



 かちっ



 この目覚ましと止めませんとね

 名雪の声が録音されてるみたいですけど…まったく羨ましい




















 今度こっそりと私の声を入れておきましょう…

























『朝〜、朝ですよ。朝○ち沈めて学校行きましょう』























 ち、違います! こうじゃないですよ!


























『朝、朝ですよ。秋子をたべて学校に行きましょう』
























 そ、そうでもないでしょう!

















 でも、いいかも…

 きっと祐一さんなら残さずたべてくれますよね…































 ぽっ























 今度入れておきましょう





 すぅすう…

 はっ、いけません! 祐一さんを起こしきたんでした

 そ、それでは…

 すぅすぅ…

 ………

 すぅすぅ…

 ………

 すぅすぅ…

 ………

「んん〜〜」

 ごろん

 ………


















 …か、可愛い











 ダメです! お、起こさないと!



「ゆういちさ〜ん、朝ですよぉ〜」

 ゆさゆさ

「ゆういちさ〜ん」

 ゆさゆさ

「朝ですよぉ〜」

 ゆさゆさゆさ













 起きませんね

 祐一さんは名雪と違って寝起きはいいほうだと思ってたのですが…

 さて、困りました
















 ここはやっぱり、アレですか





















 アレですよね?





















 アレですね、はい決定




















 で、では…秋子、逝きます!



「祐一さん。目覚めのキスですよ〜」


 ん〜〜〜〜




















 ちゅっ



























 きゃーーー!

 やっちゃいました!

 ついにやっちゃいました!

 ゆ、ゆういちさんと、き、きす、きす、しちゃいました!





















 あ、あら

 祐一さん、まだ起きてませんね

 じゃぁ、も、もう一度…






















 ん、ん〜〜



























 ちゅっ

















 ちゅ〜




















 舌、入れてもいいですよね?

 入れちゃいましょ




















 ちゅっ、ちゅぅ












 ちろちろちろ









 ちゅぅ〜










 くちゅくちゅ


























 がっ!






「んっ!?」


















 くちゅくちゅくちゅ






 ちゅぱちゅくちゅくちゅく





 もごもごもご





 ちゅぅちゅぅちゅぅ




 ちゅっちゅっちゅっ











「っっっんはぁ! はぁはぁはぁ…ゆ、ゆういちさん?」

「お早うございます、秋子さん」

「お、起きてたんですか?」

「秋子さんの熱烈なキスで起きないわけにはいきませんよ」

「あ、あらあら…恥ずかしいです」

「…照れてる秋子さん、可愛いですよ」

「…あっ」








 ん、ふぅ…












 あんぅ、んっ、ちゅぅ










 くちゅぅくちゅぅ









 ちゅぅ〜









 ちゅくちゅくちゅく













 ちゅぱ















「「…はぁぁああぁ〜〜」」





「秋子さん…」

「…はい」

「続きは…帰ってからでいいですか?」

「…はい、待ってます」

「それじゃ…」

「ゆ、祐一さん!」

「はい?」

「あ、あの…」

「???」















「早く、帰ってきてくださいね」














































 ―――授業終了のチャイムが鳴る。

 学校というのは、その途端に騒がしくなるものだ。多分。

 廊下側の最前列という、冬にうってつけの極悪ポジションに座るあたしの前を、

 クラスメートが慌しくも楽しそうに行き交う。

 そんな中、あたしは机に掛けてある鞄を掴む。



 ズシリ、と。

 鞄を持つ右手に重みを感じる。

 ―――いつもより多い、二人分の重みを。



「…………よしっ」



 なんとなく、声に出してみたり。



「…………うっ」



 だけど、その所為で強く意識してしまう。墓穴。

 さっき、男子の中でも比較的仲の良い北川君も、

 『オレもこれからジハードだから。美坂は……アレだ。―――頑張れ』

 と、あまり似合ってない爽やかな笑みでエールを送ってくれた。

 しかも、"も"にアクセントつけやがって。

 あたしの気持ちお見通しみたいでなんかムカつく。

 今度お礼に、何気に彼を慕う子が多い後輩の子達にある事ない事吹き込んでおこう。

 …………と、そんなこと考えてる暇はなかった。

 あたしは自分の席とは正反対で、ストーブの前というべスポジを陣取っている彼の元へと向かう。

 もちろん、二人分の重みを感じながら。



「…………」



 あたしが彼の席の前に立ったとき、彼は寝ていた。

 とても、とても幸せそうに―――爆睡。

 ……くそっ、こんな完璧な環境がいけないんだ。

 暖かくて、最後尾―――。

 け、決して羨ましいわけじゃないからっ。

 っていうか、せっかくあたしが覚悟決めてきたっていうのに、寝てるって。

 ちょっとムカつき。

 でも、こんな幸せそうな寝顔を見れたから、良しとしようか。

 ―――だけど、寝言で秋子さんらしき女の人の名前を言ってるのは許せん。



「相沢君、起きて」

「…………」



 反応、なし。



「相沢君、起きなさい」



 今度は、頭を揺すってみる。

 その際、相沢君の髪が予想以上にさらさらだったのにちょっと嫉妬したり。

 えぇ、どうせあたしは波打ってますよっ。



「んん…………あ?」



 流石に起きたのか、寝ぼけ眼をこっちに向けてくる。



「……何だ、香里か」

「何だ、じゃないわよ」

「……どうしたんだ?」

「……はぁ。お昼だから起こしてあげたのよ」

「あぁ、そうか。じゃあ、学食行かなきゃな」

「!? ―――ちょ、ちょっと待って!!」



 ごく自然な流れで立ち上がろうとした相沢君を慌てて止める。

 ここで学食行かれたら何のためにここ―――っていうか、学校に来たのかわからない。



「何だよ、俺から大事な大事なメシを取り上げようってのか?」

「……違うわよ」

「じゃあ何だ? 香里が弁当でも作ってきてくれたのか?」

「……そ、そうよ」



 いざ渡すとなると、物凄く恥ずかしい。

 あたし、今顔真っ赤なんだろうな。



「…………へ?」



 な、何よ……その唖然とした表情は。



「へ、じゃないわよ! あたしがお弁当作ってきてあげたって言ってるの!!」

「香里が……俺に……?」

「そうよ」

「…………マジ?」

「…………」

「…………香里?」

「―――マジも大マジっ!! っていうか、あんたが作ってこいって言ったからでしょうがっ!!」



 …………あ、何か凄い周りが静かになった。

 何か……視線が痛い……。



「…………」



 ほら、相沢君まで黙ってるし。

 うぅ……何かこの空気……嫌。



「香里」

「な、何よ…………!!」



 突然相沢君に抱き寄せられ、一瞬にして視界が暗くなる。



「―――ありがとな」

「う…うん……」



 そして耳元で囁かれる。

 ―――とても、とても心地良い声。

 そんな彼に、あたしは生返事を返すことしか出来なかった―――。



























 ―――グッと、俺は授業で硬くなった身体を解す。

 そうして吸う冬の空気は澄んでいて、どこか味もないのに美味いと感じてしまう。

 そんな俺に、隣を歩く香里は呆れた目を向けてくる。



「…………何だよ」

「よくあそこまで寝れるわね」

「まあ、俺の席は環境がいいからな」

「……へぇ、ストーブの前って、そんな暖かいんだ……」

「な、何だよ……」



 香里のヤツ、まだ席替えのこと恨んでるのか?

 残りのくじが2つになって、俺が香里にレディファーストだって先に引かせたもんだからな……。

 よりによって残ってた席が窓側最後尾と廊下側最前列って対照的すぎたのも問題だよな。

 ま、だけど俺もこれだけは譲れないからな。



「あ、そうそう。香里」

「何?」

「―――弁当、美味かった。サンキューな」

「え? あ、うん……どういたしまして」

「にしても、俺弁当作ってこいなんて言ったかなぁ?」

「…………」

「…………香里?」

「…………そんなこと言わなくても、あなたがよければ毎日でも作ってきてあげるわよ」

「…………んじゃ、頼むわ」

「任せといて」

「―――香里、これから俺の部屋に来ないか?」

「…………え?」

「弁当のお礼が……したいんだ」

「…………うん、わかった」



 そう、香里は頬を赤らめながら腕に抱きついてきた。

 そして―――


























 ―――ガチャ、と玄関のドアを開く。

 すると、そこには。



「おかえりなさい、祐一さん。―――まだ早いですけど、朝の続き……を……?」



 礼をした後、顔を上げた秋子さんの視線が、俺の後ろへ。

 ―――目が、合った。

 振り向くと、唖然とした香里。

 そして、俺は漸く悟った。



 ―――今、自分の置かれた状況と、自分で蒔いた現状を―――。
















 written by 雲丹 & 柊

 合作してみません? という軽はずみな発言がまさか自分の首を絞めようとは……。
 まあ、そんな感じで前後半にそれぞれ分かれて書いてみたわけですが。
 何つーか、あれだね。
 前後の話の繋がりがほとんど、つーか全くないね。
 ま、仕様ですがね(ぇ
 もうひとつ、あれだね。
 オチしょぼいね。
 ま、これも仕様ですが(爆
 そして最後にひとつ。
 雲丹さん、エロいね。
 ……これはいつも通りですね(ぉ
 そんなわけで、後半担当の柊さんでした。
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