私、笑っていましたか? 狂うぐらい、笑っていることができましたか?
雪……。
雪が降っていた。
灰色の空から、白い雪がふわふわと落ちてくる。
それは、ひどく幻想的で。
それは、まるで夢の世界のようで。
だから、俺は現実から目をそらしていたのかもしれない。
俺の隣には、一人の少女。
とても小さくて、一度触れてしまえば壊れてしまいそうな儚さを持っていて。
だけど、失いたくなくて。
失うという現実を見つめたくなくて。
「栞……」
「ゆう……いちさん……」
それでも、俺の横で小刻みに震える少女は「怖い」なんて一言も言わなくて。
それが、栞の強さ。
何度も挫けそうになった、俺の心。
何度も逃げ出しそうになった、俺の心。
でも、愛しくて。
抱きしめたくて。
だから、今にも壊れてしまいそうな心を、何度でも奮い立たせて。
俺は今ここにいる。
栞の隣にいる。
「……祐一さん……私、笑っていましたか?」
「……あぁ」
「……最後まで、笑っていることができましたか? ……うひょ」
「大丈夫だ、俺が保障する」
時刻は、もうすぐ日付が変わろうかという頃。
雪の降る中、二人で。
そのときは、もう目前まで迫っていて。
そして……発症した。
「……うひゃ……ぬふっ……あは、あははははははははははーーーーーッッッ!!!」
「栞……なんで、笑い茸なんて、食べたんだよぉぉぉーーーっ!!!」
その日、少年の声は冬の町に虚しく響いた……らしい?
END
言い訳あとがき
すいませんでしたっ!!!
どーも、tom106です。
……ごめん、電波受信しちゃいました。
まぁ、こんな電波を受信したきっかけは、某gu-guさんのせいですので、文句はそちらに(ぉ
それでは、またの機会に会いましょう……。
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