――――唐突だが、俺には一つ年上の姉がいる。
 世間一般で言う姉とは少し…………いや、かなり違った義理の姉がいる。
 名前を香里。
 俺、美坂祐一の義理の姉、美坂香里がそうだ。




 /一日の初め


「……あたしの愛しい祐一ぃ! おはよーッ!」

 毎朝俺の寝起きを狙って、部屋の戸を勝手に開けて、姉はやってくる。
 ちなみに俺の部屋には内側から鍵が掛かっているはずだが、何故か毎日姉は入ってこれる。
 奇術師か手品師か、宇宙人もビックリの超能力者なのか。
 とりあえず、ウチの姉に掛かってしまえば、鍵付きの部屋なんて無意味そのもの。

 何が嬉しいのか、幸せそうな顔で、上半身だけ起こした俺――の布団に駆け寄って来る姉。
 と思ったら、ルパンダイブしてきやがったので、布団を思い切り蹴り上げて姉の顔に埋めてやった。
 毎度毎度、恒例の行事は、俺を朝から疲れさせる。
 はっきり言って、朝からテンションが異常に高いこの姉に付いて行ける日は、人生で何回あるのだろう。

 ……布団を押し付けられ、姉は必死にもがいている。
 ………………滅茶苦茶邪魔だった。
 寝起きだからと言うこともあって、疲れた声と抑揚のない声を混ぜつつ、俺は姉さんに言う。

「……おはよ、香里姉さん。とりあえず服着ろ」

 全裸だと。
 上も下も、下着すら身に着けてない。
 羞恥心なんて全くないのだろう。
 完全に見慣れた。
 と言うか、呆れ果てた。

 そのまま、まだもがいている姉の横を素通りして、居間への戸を開ける。

「おはよ、栞姉」
「あ、おはよう祐一。朝ご飯出来てますよ」

 キッチンで朝ご飯を用意してくれたのは、俺と同じ学年でありながら、戸籍上は姉にあたるマイシスターその二、栞姉。
 孤児の俺を拾ってくれた美坂家の台所を預かるキッチンマスター。
 料理は抜群に美味いが、食卓に並ぶ量は殺人罪になるくらいジェノサイダー。
 今月も我家のエンゲル係数はチョモランマ級にデンジャラスに違いない。

「とりあえずよ、栞姉」
「ん? 何ですか祐一?」
「朝からステーキとカツ丼ってありえなくね?」
「何言ってるんですか。祐一は男でしょ? それくらい余裕余裕♪」

 誰か……誰か、このデストロイヤーを始末してくれる猛者はいないのだろうか。
 自分は人並みにしか食べないくせに、男の俺に毎日大量の食事を食わせるこの姉を。
 栞姉の感性は人とは絶対に違う。
 美術の絵なんて、恐怖しか感じないし混沌とした臭気すら感じる。
 しかも、この姉はそれを手にして『会心の出来です!!』とか自身満々に言ってしまうのだから。
 確かに負のエネルギーを感じ取れるほど『会心の出来』かもしれないけど。
 でも、細い体した割に、空手柔道合気道合わせて十段越えなので、口答え出来ないのが悩みだ。

「ちょっと祐一ぃ!! あたしを放って栞とお喋りなのッ!?」
「あ。やっと服着たのか。改めておはよ香里姉」
「おはよー。マイラブリーエンジェル」
「ええい。この暑い時期にくっ付くなー」

 抱き付いてきた香里姉さんを引き剥がそうとする俺。
 タンクトップとショーツ一枚の姉は家ではノーブラ派。
 大きい二つのメロンの先に実ったブドウが、俺の頬に当たる。
 相手が誰であろうと、その感触は男にとってヤヴァい。
 柔肌ですりすりなんてされてる今、俺の中心は非常にマズいことになってる。

 何を考えているのか、この香里姉さんは俺とインモラルな関係になりたいらしい。
 既に俺のファーストキスはこの愚姉に奪われてしまった。
 学校の休み時間、油断して眠っていたとき。
 唐突に俺の唇は奪われたのだ。
 何十と言う視線を受けたまま……。
 あの日は正に人生最悪の日だったと言っても過言じゃない。
 でも、キスだけと言うことで俺は譲歩し、忘れることにしたんだ。

 それなのにッ!
 それでは飽き足らず、俺と最後の一線まで越えようとしているのだから、非常に性質が悪い。
 つーか、倫理観ゼロ。
 一目惚れだったと聞いているが、生憎俺はそういうデンジャーな関係にはなりたくない。
 まぁ、キスくらいなら忘れるとしよう。
 だが、エッチまでは許すわけがない。

「はぁ……はぁ……」
「艶やかな吐息を耳元で囁くなっての!!」
「……ねぇ、あたしってそんなにスタイル駄目かな?」

 一歩引いて、香里姉さん。

「顔は祐一好みの美人顔だと思うんだけど」

 何で香里姉さんが俺の好きな女性の顔を知ってるんだよ。
 まぁ、当たってるけどさ。
 確かに香里姉さんの顔は俺にとってクリティカルHITだ。
 イッツパーフェクト!

「胸だって祐一好みの大きさだと思うんだけど」

 タンクトップの上から…………と言うか、下から持ち上げるように胸を押し上げる姉。
 Aは小さすぎ、Dは大きすぎ。
 BかC辺りが俺にとって大好物の大きさだ。
 丁度香里姉さんはCだから、俺は文句なし。

「ねぇ……。何が不満なのゆ・う・い・ち」

 敢えて言うなら、その倫理観の無さ。
 そう言いたかった。
 でも言えなかった。
 何故か?
 俺の口が突然香里姉さんの口によって奪われていたから。

「ベットメイクしておいたから、ヤるときは祐一の部屋でお願いしますね」
「んぅ。んぅ…ふぁい」

 了解とか言うな姉!!
 つか、倫理観がないのは栞姉もそうだった。

「枕の下にゴムありますけど、使わなくてもいいですから。
 ……あ、もうこんな時間。早く部活に行かないと青葉先生に怒られてしまいますぅ」

 夏休みの今、栞姉が学校に行く用事は部活だけ。
 そして、俺も今日は部活があるはず――――って、もうこんな時間ッ!?

「どけ」

 香里姉さんの唇を強引に離し、俺は食卓に並んだ物をラップで包む。
 そして、部活道具だけ持って家を出る。




 /一日の中間


「……ゆ、祐一さん。きょ、今日は遅かったですね」
「あぁ。また姉さんが阿呆なことしやがって」

 部活に遅れることなく、何とかギリギリで間に合った俺の横にいるのは同い年の友達の美汐だ。
 本名、天野美汐。
 何故か人見知りするくせに、俺の隣をとことこ着いて来る可愛らしい友達だ。
 身長は150cmほどしかない小動物のような可愛らしさがある。
 後、俺と喋りすると何故か高確率で顔が赤く染まる特徴を持つ特異体質の少女。
 ちなみに、栞姉と同じクラスで、二人は親友らしい。

「姉さん………。香里さんですか」

 美汐は栞姉から教えてもらったのか、香里姉さんが俺の貞操を奪おうとしていることを知っている。
 そして、俺が『姉さん』と言うとき誰を指すのかも、長年の付き合いから知っている。
 姉さん、姉、愚姉、香里姉さん。
 大体香里姉さんのことを指すときはこう言った言葉を使っている。
 でも、栞姉を呼ぶときは『栞姉』、これだけ。
 理由は特にない。

 美坂香里――。
 彼女のことを表現するならただ一言、『マイシスター』……以上。
 それ以上でもそれ以下でもない。
 頭脳明晰、運動神経抜群、容姿端麗…………何だけど、あの性格が全てを帳消しにするくらいマイナス要素。
 ただの溺愛、ブラコンを通り越してるからなぁ。
 不純も不純。

 つーか、不純なのは栞姉も同じか。
 何せ俺と姉さんの関係を進展させようとしてるし。
 ……まぁ、栞姉は違った意味で姉さんより性質悪い、か。
 以前、滅多に飲まない酒を口にしたとき、酔った勢いで聞いたことがある。
 姉さんの、夢――。





 ――――――俺と香里姉さんの子供と性交すんのが野望ゆめ





「……祐一。少し黙ってて」
「あ、すいません。川澄部長」

 美汐と喋っていて、部長に怒られた。
 俺が所属している部活の部長、名前は川澄舞。
 普段は無表情&冷静寡黙なんだけど、ときどき何かに乗り憑かれたように饒舌になる。
 ついでに、ちょっとアホなところアリ。

「…………今日は時間ギリギリに来て充分にアップも出来てないのに美汐と喋ってる余裕なんて祐一にあるんだ。最近タイム落ちてきてるのくらい自分でも分かってるんだよね。しかも前回の記録会なんてタイムが三秒も落ちててこのままだと部内の選考会にすら危ないってこと自覚してるの? 香里のことで悩んでるのは分かるけど気持ちの切り替えが出来ない人は全国なんて夢のまた夢――……」

 無表情と言うか、冷淡に。
 しかも、ほぼノーブレスで。
 川澄さんは後輩に対して割りと遠慮ってもんを知らない。たぶん。いや、絶対。
 思ったこと、気になったことをズバズバとマシンガンのように止まらず言ってくる。
 こうなった部長は数分喋ることを止めない。
 ほら、副部長も美汐も、他の部員も俺を恨めしそうに睨んでる。
 …………すまん、みんな。

「―――でね………………―――祐一、私の話聞いてる?」
「……あ、ハイ。きちんと聞いてます」

 嘘です、すいません。聞いてませんでした。
 ヤバい。こんなとき嘘がバレたらきっと部長のマシンガンはもっと長くなる。

「ホントですって。俺の目を見てください。嘘を付いてると思いますか?」

 じっと部長の瞳を見詰める。
 ……って。
 何故か赤面して視線を反らされたんですけど……。

「…………祐一。やっと私の魅力に気付いてくれたんだ…?」

 マテ。超マテ。色々とマテ。
 部長は今、何て言った?
 私の、魅、力、?

 ……………………えーと、何を言ってるのか説明お願いしたいんですけど、部長。

 頬を赤らめて、その頬に手を当てて恥ずかしそうに。
 一昔前の少女チックな仕草。
 激可愛い――――じゃなくてッ!!
 超可愛い――――でもなくてッ!!
 マイハートに胸キュン――――でもなくてッ!!!!!!
 胸キュンキュ――――ッッ!!?? ☆!$¥#Дβッッッ!!!!!?????

「――――あーもう祐一好きッ!!」

 マジで心臓が口が飛び出るかと思った。
 つーのも、川澄さんに抱き締められてるんだけど?
 しかも、好きとか言われて。
 ……だ、誰か。
 誰かこの状況を説明してくれ。
 ついでに、この状況を打破する方法を教えてくれ。
 プリーズテルミー。

「あのですね、部長……」

 普通なら、ここで「俺もです」とか「言い難いんですけど……」と返事するんだろうけど。
 今、この場で取るべき対応はこのどちらにも当て嵌まらない。
 姉さんと同じくらいだろうと思われる川澄さんの胸の膨らみを腕に感じながら、その抱擁から逃れる。
 そして、一言。

「後ろ……」
「――――か〜わ〜す〜み〜さ〜ん」
「っ……!?」

 肩をビクッと縦に揺らして、川澄さんが嫌な顔しながら後ろを向いた。
 そこにいた――と言うか、部長の名前を呼んだ人物は、

「………………香里」
「…………私の祐一に抱き付くなんて…………ッ!!」

 我が愚姉だった。
 親の敵でも見つけたように川澄部長を睨んでる愚姉。
 しかも、いつ持ち出したのか、我が美坂家の秘刀・雲切丸をその右手に握り締めて。
 ……つか、鞘をどこやったッ!!
 抜き身じゃねーかウチのマイシスターッ!!

「――――私の……? ふ。ふふっ。あははっ。何をトチ狂ったことを言うかと思えばそんな阿呆なことは自分の妄想の中だけにしといたほうがいいんじゃないかな、と私は思うんだけどその辺祐一はどう思う――って訊くだけ野暮って言葉は正にこのためにあるみたいだね。だってそんな頭がイっちゃった人――しかも、その人が自分と血が繋がった姉なら記憶から抹消したいに決まってるのは聞くまでもなく道理って世間一般の姉弟なら思うのは当然――を通り越してそれ以外の答えなんてないに違いないしね」

 俺から一歩離れ香里姉に近づいた部長。
 前後の文脈が無茶苦茶になってるなー。
 あー、ついに出ちまったか。

 ――――川澄さんの地。

 普段の冷静寡黙から一変して饒舌になるこの川澄さんこそ、本当の彼女の姿。
 しかも、相当喧嘩っ早い――と言うか、実は割と短気。
 キレると相手を煽りながら喧嘩腰になる生粋の喧嘩家
 ただ、少し弁明をするなら喧嘩なら何でもいいわけじゃなくて、喧嘩は決して売らない。
 買い専門。常勝無敗。剣道空手柔道弓道合気道柔術薙刀なんでもデキる最強無敵のハイパー女子高生。

 そんな川澄さんに喧嘩を売った我が姉。
 武道の心得なんて欠片もない香里姉は、たまに――――い、いや、ときどき――――い、いや、よく――――い、いや、ま、毎日のように川澄さんと喧嘩している。
 経験の差は正に天と地の差ほどあるはずなんだけど、毎日川澄さんと互角に渡り合っている。
 ……………………はっきり言って、姉さんは謎過ぎる。

「――――――――ふ。理性が今臨界点を突破したわ。今日をアナタの命日にしてあげるッ!!」

 いや、抜き身の刀を持ち出す時点で理性なんてねーだろ。

「……クス。身の程知らずのクソ蟻が何か呆坐ほざいてるね。頭に蟲でも湧いてるんじゃないかしら」

 いや、アナタのその口調のほうも相当イっちゃってると思います。

「――我流剣術序章三節之項・連なる水泉」
「――川澄流古戦術守之三式・流し車」

 我流剣術のくせに名前あるのかよ、姉さん。
 つか、それに無手で向かう川澄さんは怖くないのかと小一時間問い――

「――我流剣術序章一節之項・織り槌」
「――川澄流古戦術攻之六式・鉄扇」

 …………と言うか、二人とも何者ですか?
 蹴り足が速過ぎて、本当に人間が動ける速さなのかと、反応できる速さなのかと…………。

「――我流剣術終章零節之項・七色蓬華――」
「――川澄流古戦術極之終式・伏虎開門――」

 ちょ――、ちょっと待てーーーっ!!!!!







 その後、学校は超不可思議異常衝撃波+超非現実的多重残像現象のせいで壊滅状態になった。




 /一日の終わり


「…………うあ゛〜、今日もマジ疲れた」

 毎日言ってる言葉を吐いて、俺は布団に倒れこむようにダイブする。
 家に帰るとすぐ、靴は脱ぎ捨て、鞄は放り捨て、制服は脱ぎ捨て、安らぎの空間――癒しの世界にレッツダーイブ。
 バイトして疲れた状態の体にはメシより風呂より、布団と言う最上極楽癒し。
 これが何より重要。
 例え、布団の一部が何故か大きく膨らんでいたとしても。
 例え、布団の一部が人一人潜り込んでるほど盛り上がっていたとしても。
 例え、布団の傍に見慣れた女性の下着が上下揃って畳んでいたとしても。
 例え、部屋に入る前に栞姉から「頑張ってください!」と言われたとしても。
 そんなのお構いなし…………というか、だからこそ、と言うべきか。
 その、盛り上がった布団目掛けてダーイブ。
 専門用語で言うと、フライングボディプレスとも言う。
 意図的に体重を思い切り乗せ、ダイブしたままの格好で跳ねる。
 不思議と思い切り叩き付けるように跳ねる俺。
 布団の下と言うか、中から「きゃっ、積極的」とか「痛っ、これも愛情?」とか聞こえるのは無視。超シカト。

「………………つーか、いい加減俺の布団に潜り込むの止めない?」

 跳ねることに飽きた俺は布団から降り、布団を捲りながら言う。
 正直疲れてるから、これ以上“この人”の悪戯に付き合ってられない。
 と、同時に“毎日の習慣”を止めさせるように説得。
 まぁ、こんなこと言ったところで――

「私の生きがいを止めろって言うのッ!?」

 ――こういう返事が返ってくるのは解かってたけどさ。
 …………超疲れる。

「そう。だから自分の部屋にカエレ」
「即答ッ!? 姉さんショック!!」
「……姉なら弟のことを第一に気遣うくらい出来るだろが」

 姉さんのことは放っといて、俺は布団に入る。
 真横に姉がいることなど無視。
 つか、ここは俺の部屋だし、俺の布団でもある。
 ………………だと言うのに、

「何してる愚姉ねえさん…?」

 考えが読めない我が姉は、俺に抱き付いてきやがった。
 素肌独自の柔らかさが伝わってくるが、いつもの積極性があまり感じられないように思う。

「ん? 何って、疲れてる弟のために、こうして癒してあげてるの」

 …………こ、このはいぱーバカ姉がッ!!
 誰のせいで俺がこんなに疲れてると思ってんだ。
 朝も一緒、昼も一緒、バイトも一緒、夜も一緒…………異常な姉と常に一緒にいるからこっちはマジで疲れる。
 バイトの仕事の関係上、姉さんは俺より一時間早く上がり、ほぼ毎日俺の布団の中で待ち伏せしている。
 あれか、今日こそははっきりと言ってやらないとダメなのか。
 超邪魔だと。激ウザいと。姉さんは俺の趣味じゃないと。俺には好きな人がいると。
 嘘も方便とはよく言ったものだ。
 でも、こうした言葉を嘘でもいいから言えば少しは姉さんの行動も



「……だって、私は祐一のこと他の誰よりも想ってるから。――――――好きよ、祐一。姉弟とか関係なく」



 ――――ぇ?
 何だ、この今まで聞いたことない姉さんの声のトーン。
 いつもの声じゃない、訴えるように強い声。
 優しいような、哀しいような、弱い声。
 もしかしたら……たぶん…………いや、そんなことない。
 ……俺は認めたくないながら、もしかしたらと言う仮定を想像してしまった。


 ――――これが本当の姉さんが持ってた心からの気持ちなんじゃないのか、と。


「……………………ねえ祐一」
「……なに?」
「………………今夜、ここで寝てもいい? 嫌なら明日から二度とこんなことしないから」

 俺は即答できなかった。
 きっと昨日までの俺だったら即座に嫌と答えていただろう。
 二度とこんな真似しないと言う約束なら、それに乗らないわけがない。
 でも、今俺は即答できなかった。
 しかも、数十秒くらい間を空けて俺が出した返事は、

「姉さんの好きにすればいい」

 何故か昨日までの俺では想像も出来なかったものだった。
 正直、自分でもどうしてこう答えたのか分からない。
 ただ、一つ言えるのは、俺は今のこの状況を悪くないと考えていたんだと思う。

「――――ありがとう、祐一」

 最後にそんな言葉を聞いて、俺はゆっくりと眠りに落ちた。


















「おはよー、マイラヴァーッ! 目覚めのキスはフレンチに」
「昨日の俺の悩んでいた時間を返せーッ!!!!」
「……ふぁあ〜、何を朝から叫んでるんですか騒々しい。昨夜はベットをギシギシ弾ませて『積極的』とか『愛情』とか言ってたんですから、何をキスくらいで逆ギレして」
「栞姉も何を勘違いしてんだよッ!!!」


 こうして、俺の毎日はまたしても同じような日々を送ることになった。






 終われ!



 あとがき

 だぶるみりおんひっとおめでとうございます。
 ということで、記念SSを贈呈。ぱちぱち。
 あ、お米券はありませんのであしからず。

 ……えー、前振りは以上にして、このSSの具体的な設定でも。
 と言うか、それしないとさっぱりわけわかんない人続出すると思うので。

 このSSは柊さん幻の名作Symphonyのパクr……いや、三次……でもない…………に触発されたSSです。

 ちなみにSymphonyは柊さんのBlogにて公開されてます。
 どんなSSかは各自読んで楽しんでください。
 このSSは見事そのSymphonyと設定が酷似しています。
 何がと言われたら雰囲気が、としか言えないのですが。
 キャラ設定とか相関関係とかは微妙に違いますし…………まぁ、このSSを一言で表現するならコレが一番。

 ――電波。

 と言うか、ノリだね。
 勢いで書いた部分がほとんど。後、妄想。
 まぁ、一応SSを三つ(朝、昼、夜)に分けて、その一つ一つにテーマがあるんだけど。

 一つ目。香里は微妙にエロチック。栞は総合格闘家であり最狂芸術家。
 二つ目。舞の暴走。部活の具体的な活動は不明。
 三つ目。香里の気持ち。最後のオチ。

 上手く伝わっていれば幸いです。
 …………にしても、Kanonのキャラ原型ほとんどないですね。――――香里然り、栞然り、舞然り。
 あ、香里と舞が使った流派と技に関してノーコメントで。
 思いつきですので、どんな技とか作者も知りません。
 読み方にしても各自好きなようにどうぞ。
 後、文中に『ほざく』とありましたが、漢字については完全な当て字ですので正統な漢字だと思わないように。

 では、最後になりましたが柊さんおめでとうございます。




 最近こんな電波系ばかり書いてますが、きちんと本命のほうも頑張ってますよ。


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