「ねえ、知ってる?」

 

デザートのイチゴムースを食す名雪が聞いてきた

相変わらずのイチゴ好きだな

偶にはAランチから変えてみたらどうだよ

とにかく、こう答えるしかないな

 

「知らない」

 

飲み物を口に含む

我ながら見事な切り返しだ

何か唸ってるようだが無視

だって知らないものは知らないし

 

「今日の夏祭りの事を言ってるのよ」

 

ナイスフォローだ香里

祐ちゃんポイント加算1だ

香里は13ポイント溜まっているから、後2ポイントで頭を撫でて券を貰えるぞ

 

「夏祭り?」

「丘の隣に神社があるだろ?そこでやるんだ」

 

北川がカレーうどんを啜って言う

あれって染みになると落ちないんだよな

しかも汁が飛びやすい

近頃食べてないっけ

それはいいとして、丘とはものみの丘のことだろう

確かあそこで神社を見かけた

天野に「将来ここで働くんだろ?」って言ったら睨まれたような

 

「ふーん。みんなは行くのか?」

「私は部活が終わってから行くよ」

「栞の付き添いでね」

「ナンパの為に行くぜ!待ってろよ、可愛い少女達!」

 

お前には聞いてないって

しかも邪な下心が見え見えだ

となると俺は1人か………寂しいな、オイ

どうせ周りにはムカツクぐらいにイチャイチャしてるカップルで溢れているに違いない

はっ!俺なんか彼女いないさ。1人身バンザーイ!

虚しい事を考えながら今日の学業を終えた

 

 

 

 

 

 

 

 

Childhood

 

 

 

 

 

 

 

 

ノブを回すとドアが開いた

誰かいるのかと思ったら秋子さんの靴があった

着替えてからリビングに向かう

 

「おかえりなさい、祐一さん♪」

 

当社比2,7倍の笑顔を振り撒く秋子さん

かわいいな……思わず見惚れてしまったぜ

ていうか下着が透けてますよ(汗

昨日は控えめな水色。んで、今日は紫

英語で言うとviolet

ちなみにvioletは青みがかった紫、purpleは赤みがかった紫って意味だ

勉強になったかな?

 

「今日仕事はないんですか?」

「お祭りがあるので有給をとりました」

 

にっこりスマイルで答えるけど、そんな事で使ったんですか貴方は………

もっと有効な使い道があるだろうに

 

「毎年行ってるんですか?」

「はい。お祭り大好きなんです♪」

 

楽しそうに微笑む秋子さん

新たな一面を知ったぞ

さっそく祐ちゃん脳内メモリーに焼き付ける

ぴきゅーん!よし、閃いた!!

ここは秋子さんを誘おうではないかっ!

やっぱり1人は嫌だ

 

「だったら一緒に行きませんか?相手がいないんで」

 

すると一瞬で俺の肩を掴む

速くて見えなかった(汗)

 

「ほんとですかっ!?」

「え、ええ」

 

秋子さんの鬼気迫る表情が視界一杯に映る

ちょっと恐いっス

 

「でも私みたいなオバさんなんかでは楽しくないですよね…」

 

うっ、重い雰囲気になってきた

だがこれは株を上げるチャンス!

漢を見せてやるぜ!

 

「全然そんなことありません。秋子さんはとても若いですし、寧ろ俺の方が女神のように綺麗な美人と一緒だと、

 その美しさを損なわせてしまいますよ」

 

優しく耳に囁きかける

秋子さんの顔は赤くなり、うるうると上目遣いで見つめてきた

ぐはっ!そ…それは反則ですよ……。レッドを超えてブラックですよ(謎)

 

「祐一さん……」

 

手を首に回して抱きつかれた

吐息が首元に触れてくすぐったい

それにいい香りだ…

むにゅ、むにゅ

き、胸板に押し付けられている2つの柔らかいモノがぁっ!!

エマ―ジェンシー!エマージェンシー!!

理性、弾幕薄いぞ!何やってんの!!

これ以上はマジで危険だ!

応急処置――――体を離す

名残惜しそうな顔しないで……

 

「と、とにかく6時になったら行きましょう!」

 

すぐに俺は部屋に駆け込む

ふぅ、後1時間だな

雑誌をペラペラと捲って待つことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

おっ、もう時間だな

下に降りると浴衣を纏っている秋子さんがいた

 

「あ、あのっ…に、似合ってますかぁ……(赤)」

 

恥ずかしそうに俯いて聞いてくる

藍色の生地に赤の帯

色白の肌とコントラストを生み出していた

無言でサムズアップを向ける俺

声も出せないぐらい綺麗なんだもん!

 

「よかったです……」

 

胸を撫で下ろしての安堵の表情はいけません!襲っちゃいそうです!!

 

「それでは行きましょうか」

 

外に出ると陽は傾き始めているが、まだ明るい

不意に右腕に柔らかくも弾力のある温かい感触が……

視線を移すと秋子さんが自分の胸に埋めていた

 

「いけませんか………?(うるうる)」

 

ズキューン!!

俺のハートが撃ち抜かれた!

音速を超える速さで首を縦に振る

断れるわけないよ……。この気持ちを理解出来るのは自分だけではないはず

 

「はふぅ……温かいです」

 

抑えるんだ相沢祐一そこまで君は鬼畜ではない此処は外なんだ野外でなんてそんな趣味はないぞ
正常なんだノーマルなんだましてや叔母だぞ道徳と倫理から反するのはいけないと思うそうだい
けないんだ!いけないんだっ!!

秋子さんの甘々&色っぽい仕草に惑わされながらも、死に物狂いで耐える

そんなこんなで滞りなく(?)神社に着いた

 

「結構人がいるな」

 

予想通り恋人同士で

目の前に浴衣姿の女の子集団を発見

緑色のショートカットの娘は活発そうだけど、浴衣を着ると………最高っ!!

赤色の歌の上手そうな娘の項なんか………じゅるり

 

「む〜、ゆ・う・い・ち・さ・ん!」

 

涎を垂らしながら観賞していると、秋子さんが両頬をすべすべな手で挟む

 

「私だけを見て下さい……。今は私が祐一さんの彼女さんですから…」

 

嫉妬を含ませた顔で見つめる秋子さん

ほんのり桃色に頬が染められている

俺は何て馬鹿な事をしてたんだ!!

俺は1人じゃないんだ!

秋子さんという自慢の妻がいるじゃないかっ!!(行き過ぎです

 

「俺の中には初めから秋子さんしかいませんよ」

 

冷笑を浮かべてクールに決める

じゃあさっきのは何だ、というのは受け付けません

 

「私も同じですから、離さないでくださいね♪」

 

ギュっと腕に抱きつく

あははー!俺は幸せ者だなー!食べちゃいそうだよー!

理性が少しずつ崩れいく音が頭の中で響く

人混みの中を入っていくと、様々な出店が並んでいた

前の町は祭りがなかったから久し振りだ

懐かしい思い出が蘇ってきた

 

「祐一さん、あそこに行きましょう!」

 

指差す先にはわたあめがあった

まぁ、祭りに来たらこれは食べないと

2人分を買って手渡す

 

「おいしいです〜♪」

 

幼い笑みでわたあめを頬張る秋子さん

僕はその笑顔でお腹一杯です……

でも本当に楽しそうだな

 

「今度はかき氷がいいですね」

 

俺の手を引っ張って進んで行く

たこ焼き、あんず飴などを食べたり、他の出店も見て回った

秋子さんを見ると終始笑顔を絶やさなかった

まるで子供がはしゃいでいるように

もう1人の母親と言っても過言ではない存在の秋子さん

完璧を通していても、やはり素直な自分を出したいんだな

それを出せる唯一の機会がこの夏祭りなんだ

色々考えながら喉が渇いたということで、自販機にジュースを買いに行く

戻るとそこに秋子さんの姿はない

何処かで射的とかをやっているのかと思ったが、あの人の性格上その選択肢は消える

頭の中に秋子さんが連れ去られている映像が浮かんだ

可能性から考えて急いで神社の裏手にある森へ走る

時なくして3人の男に囲まれている秋子さんを見つけた

 

「やめて下さいっ!!」

「1人じゃつまらないだろ?」

「気持ちいいことしようぜぇ」

「そうそう。すぐに楽しくなるからさぁ」

「いやっ!離してぇっ!!」

 

嫌がる秋子さんの腕を無理矢理掴む

俺は1人の男の頭を鷲掴みにし、地面に叩きつける

しゃがんだ状態から隣の男の顎にアッパーを入れた

手に回転を加えて脳を揺らす

2人は倒れたまま動かない

両方共気絶していた

 

「何だてめぇは!」

 

最後の男が叫ぶが、行動を起こさせない為に拳を叩き込む

奇声をあげながら倒れ、その際に秋子さんを背中に隠す

 

「俺の女に手を出すとはいい度胸だな。違うか……ただ馬鹿なだけか」

 

顔を押さえて悶え転がる男をつま先で上げる

 

「いいか……。二度とその面を俺達の前に曝すな。今度は地獄を見せる…」

 

そのまま顎を蹴って昏倒させる

秋子さんは背中に抱き付いて震えていた

この場所を離れて、奥の方に行く

ただ声も無く涙を流し続ける

 

「もう大丈夫です。俺が守りますから……。ずっと一緒にいますから」

 

自分の体温を感じさせる為に力強く抱きしめる

秋子さんも抱き返して応えてくれた

頭を撫でて、暫く彼女の温もりを感じていた

決心を固く刻みながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

「祐一さん……」

 

か細い声で秋子さんが呼ぶ

 

「すみません。もっと早く戻っていれば恐い思いをさせずに済んだのに」

 

俺の謝罪に首を振る

 

「私の我侭でなってしまったのですから、祐一さんの所為ではありません。それに………」

 

秋子さんが泣き腫らした目を向ける

瞳も充血している

 

「信じていましたから……。祐一さんが必ず助けてくれると」

 

そう言って微笑んでくれた

俺は何も言えなくなった

そこまで自分を信用してくれていたことに

普段は迷惑ばかりかけているこの俺を

ただ秋子さんを抱きしめているしか出来なかった

 

「私がお祭りが好きな理由ですけど、子供になれるじゃないですか。昔と変わらない風景が此処にはあるんです」

 

秋子さんの瞼が閉じる

そして俺の唇に重ねてきた

いきなりの事で訳がわからない

目を開いて驚いていた

 

「好きです………いいえ、祐一さんを愛しています。貴方の前なら本当の……弱い私が見せられる。

 1人は嫌なんです。寂しくて痛くて冷たくて………心が壊れてしまいそうで……。もう……1人は嫌……。

 私を…私だけを見て欲しいんです」

 

再び涙を零す

答えは決まっている

けど言葉で紡ぐ事が出来ない

だから行動で示すことにした

――――kiss

 

「んっ…………」

 

舌を絡み合わせる濃厚な愛の宣告

唇を離して秋子さんに告げる

 

「俺も秋子さんを愛しています。他の奴に………誰にも渡したくない!」

 

俺の本当の想い

今此処で全部伝えた。俺の想い人に

 

「ふふっ、嬉しいです。祐一さんに愛してもらえて…。だから……私ももっと貴方を愛したい。私の全ては……祐一さんのもの。

 好きにして下さい…。そして私に…………永遠の契りを交わして……」

「秋子さん……」

 

俺がキスをしようとすると、指を当てられた

 

「2人きりの時だけは、秋子と呼んで下さい」

「分かったよ、秋子」

 

2人で微笑み合う

そして俺は草のベットに彼女を横たわらせた

 

 

 

 

 

 

 

 

陽も沈み、夜が世界を包む

街灯と月に照らされて、俺は水瀬家に帰宅途中だ

秋子さんを背負いながら

え?何で背負っているかだって?

そりゃあ、聞いちゃいけないぜ

秋子さんの腰がガクガクで歩けない状態にしてしまった、とだけ言っておこう

 

「温かいです……」

 

秋子の髪が擽る

浴衣が乱れているとかいう突っ込みは禁止だ

 

「秋子も温かいよ」

 

夜になって風が吹いてきた

汗だらけの俺達には丁度いい

何で?って、しつこいと女の子に嫌われるぞ

 

「でも気持ちよかったです。祐一さんの身体」

 

ほんのり桃色になる秋子

激しかったからなぁ……

もちろん俺の方だけど

 

「秋子の身体が若々しくてね」

「ありがとうございます♪」

 

頬に唇の感触

あぁ……もうまた襲っちゃいそうになる!

けど人がいないからいいけど、名雪とかに見られたら……………考えるのは止めよう

気が付くと家に到着していた

明かりが点いていないということは、まだ帰ってきてないのか

中に入って秋子を彼女の部屋に連れて行く

着替える為に部屋を出ようとするが、抱きつかれる

 

「もっと………してくれませんか?」

 

瞳に涙を溜めて懇願してくる

本当に可愛い…。秋子には弱いな……

お風呂は名雪達が寝てからでいいか………。また汗かくからな

 

「愛してるよ、秋子」

 

ベットに押し倒して唇を奪う事で肯定を示す

銀の橋が2人を繋ぐ

秋子が俺に囁いた

 

「私を……私を祐一さんの愛で縛り付けて……」

「絶対に離さないから」

 

名雪達が帰ってくるまで、2人は愛を確かめ続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あとがき

鏡華「みなさん、いたずらごころわくわくしてますか?」

希織「秋ちゃんのバカァ!!」

鏡華「希織さん………貴方作品が違うでしょ」

希織「何で秋ちゃんなのよ〜!」

鏡華「や、やめっ………苦じいぃ…」

希織「私と祐ちゃんのラブラブダイアリーを書きなさいよ〜!」

鏡華「げほっ、ごほっ!ちょっと待って下さいって」

希織「待たないわ!」

鏡華「柊さんに許可をもらってないのに書けるわけないじゃないですか」

希織「じゃあなんで秋ちゃんのは書いたの?」

鏡華「『Rhapsody』の秋子さんじゃないし、僕の上司である魔王様の命令で」

希織「魔王様?」

鏡華「柊さんの事です」

希織「許可が出たら書いてくれる?」

鏡華「……………」

希織「……………」

鏡華「…………いたずらごころわくわくしてますか?」

希織「なんで最初に戻るのよ!」

鏡華「冗談ですよ。気分が乗れば書きます」

希織「これ以上にラブラブでお願いね」

鏡華「一応頑張りますよ(秋子さん萌えな自分としては無理だろう)」

希織「秋ちゃん萌えだから書かないとか言ったら怒るわよ」

鏡華「わ、分かりました(見抜かれた!?)」

希織「分かればいいのよ」

鏡華「さて、今回の内容ですが時期外れの夏祭りを舞台にしてます。大人も楽しめると言ったらこれぐらいしか

   思い浮かばなかったので」

希織「自分が浴衣が好きだからじゃないの?」

鏡華「それもありますけど。これって甘々になるのかなぁ……。あまり萌えもなさそうだし」

希織「最後の方の台詞はかっこつけ過ぎじゃないだと思うけど」

鏡華「頑張ったんですよ!自分じゃあれが限界です(涙)」

希織「私の時にはちゃんと書いてね♪」

鏡華「微妙ですね〜。それでは!お相手は、皇 鏡華と」

希織「美坂 希織でした〜」

鏡華&希織「「また次回〜!!」」

 

 

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送