Death End

俺がこの町に来てから1ヶ月。
さまざまな人が俺と親しくなり、そして………。







死んでいった。

あの冬の俺から何も変わる事は出来なかった。
何も出来ずに傍観しているだけで

ただ救世主が現れる事を一心に願って

自分からは決して何もしようとせず

見えない何か     ありえない奇跡

二つを信じる事しかしなかった。


名雪…舞…栞…真琴…香里…天野…佐佑理さん…秋子さん…そしてあゆ…




ミンナシンデシマッタ



何故だ?何故死んだ?何故消えた?何故後を追った?


何故…


俺の前から消えたんだ?

それはお前が来たからさ


え?
全ての原因はお前だ


違う…俺じゃない…
相沢祐一さえ居なければ


違う…
認めろ


違う…!
認めろ


チガウ……!!
ミトメロ!


ぐあぁぁ…



俺が居なければあゆは木に登ることは無かった


俺が居なければ舞は魔物と闘う事は無かった


俺が居なければ真琴は命を捨てて人になる事も無かった


俺が居なければ天野は真琴の後を追うことも無かった


俺が来なければ秋子さんは事故に遭わなかった


俺が居なければ佐佑理さんは舞と出会わなかった

悲しむ事も無かった


俺が来なければ名雪は自殺しなかった



俺が全ての原因………?



栞が香里と仲直りできるきっかけを作ったのは俺ではないか

幼い日の舞の友達になってやったのは俺ではないか

真琴に家族のぬくもりを教えたのは俺ではないか

佐佑理さんの心の傷を癒したのは俺ではないか

母を亡くしたあゆと遊んでやったのも俺ではないか



……自己満足だな



俺が悪い?当たり前の事だ。俺は、『相沢祐一』は一体何をあいつらにしてやれた?
真に愛すべき人達に…

俺は何か出来たのではないか…?

否…。今更考えてももう遅い…

ウシナワレタモノタチハモウカエッテコナイ

奇跡?そんな馬鹿げた物がこの世にあると?

「起きないから奇跡って言うんですよ」

栞の言葉は正解だったな…。皮肉なもんだ…。

もう…遅いんだよ…。



償わなくては…

何もしてやれなかった、いや、愚かな俺がしてやらなかった人達に

イコウ…

彼女達の元へ…

謝らなくては…

彼女達に…












そして彼は





愛しき者達の墓を回った後





静かな家で





もう誰の笑い声もしない家で





静かに





本当に静かに





手首を切り裂いた








その時の彼の眼には



どんな感情が浮かんでいただろうか




それを知る只一人も



最早この世にはいない














END










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