俺には従姉妹がいる。

というか、現在進行形でその従姉妹の家に居候してる訳なんだが…。

なんというか、その居候する事が決まった瞬間、俺は我を忘れたね。

数年ぶりに再会する従姉妹の幼馴染。

しかも同棲!!

これは、恋の始まりだと…。

でも、再開した従姉妹は俺の予想とは少しずれていたんだ。

俺の従姉妹の名雪は…。











「祐一のジュース、一口貰うね」

「うわああああ!! 一口とか言って全部飲むんじゃねえ!! 俺のヤク○トがあああ!!!」



悪い娘になっていたんです。











〜ブラックヒロインナユッキー〜











一体何が名雪を変えたのだろうか?

数年ぶりに再会した時なんかは、雪の中2時間も放置された。

しかも泣きそうになって謝りつつも、2時間ずっと俺を喫茶店で観察してたとか言いやがる。

意味不明だ。

だが、もっと意味不明なのは…。



「わたし、悪のヒロインナユッキーだから」



いや、なぜに悪の組織なぞに入ったのですか?

というか、その名前はどうなのよ?











で、いきなりだが期末テストだ。

この試験をパスするかどうかで、夏休みの過ごし方が変わってくる。

高校3年だから、受験勉強しろって?

それはまだ希望のある学生がすることだぞっ!?

………うぅ。



「北川…目の下にクマ出来てるぞ?」



俺は今、北川、名雪と話している。

香里は…喋りかけたら殺すぞオーラが出てるので危険だ。

よってこの三人。



「ふ、昨日は徹夜で勉強してたからな」

「クマー」



こいつ、まだ諦めてなかったのか…。

ま、それはおいといて。



「名雪危険なネタはよせ? な?」

「??」



そんな無垢な顔して首傾げるんじゃねぇ!?

可愛いじゃないか!!



「ま、俺は最後の抵抗してくるから」



席へ旅立つ北川。

がんばれよ(遠い目



「……クスクス」

「……」



あれ、なにこの悪寒。



「名雪、お前何考えてる?」

「悪巧み」

「そうか…」



北川…何されるんだろう?

ちなみに、助ける気などない。

なぜなら、北川は俺より頭がいいから。

正直、結構むかつく事実だ。











テスト開始から約40分。

暗記系の世界史なので、覚えていれば早く終わる。

覚えていなくても早く終わる。

考えてもわからないから。

ちなみに俺は後者。

笑え。



「せんせー」



名雪が……手を上げた。

嫌な予感がする。



「北川君がわたしの答案見てきます」

「北川、生徒指導室にいくぞ?」



筋肉質の体育教師に捕まれる北川。



「え!? ちょっと待ってくれ!! え、え、うそおおおぉぉぉぉ!!!」



北川は連行されて行った。

可愛そうに。

しかし、北川と名雪の席、間に4人ほど居るんですけど?

さらに言えば、北川の方が席前だし。

あの筋肉教師、普通に考えればわかるだろ。



「祐一」

「なんだ? というかテスト中に堂々と話しかけるな」

「あのね、可愛ければ全てが許されるんだよ?」



……こいつ、あの筋肉教師に何をした?











テストが終わって、高校から帰宅途中。

名雪に聞きたいことがある。

それは、どうしてこいつが悪の組織に入ったかについて。

正直興味がある。



「名雪、1つ質問」

「ごめん、今忙しいから」

「え!? 普通に家帰ってる途中じゃん!? 何が忙しいんだよ…って、サイフ?」



名雪はサイフを持っていた。

まさか…。



「お前、盗んだのか!?」

「失礼だよ、祐一。 わたし、そんなことしないもん」



お前は悪の組織の人間ではないのか?



「拾ったんだよ。 今から警察に届けるの」

「なに!? 名雪が善行を!! ついに改心したか!!!」



俺は心から感動した。

これで、俺に名雪との青春が訪れる。

悪のヒロインのユニホーム『キワドイ水着』を、名雪が最後までダサいから着なかったのは正直残念ではあるが、仕方あるまい。

ここで、ナユッキーという名前はダサくないのか?という疑問が浮かぶが、まーいいだろう。

それと、最後まで俺に『キワドイ水着』姿を見せなかったのは、名雪の最後の悪事かもしれない。

むぅ、こう考えると、最後まで悪い娘だ。



「俺も一緒に交番まで行こう」

「んーいいよ、祐一は明日の英語の勉強を家でして? 祐一は英語が苦手でしょ?」



いや、正しく言うと、英語も苦手…なんだけどな。

しかし、名雪の優しさが心に染みる。

名雪もついに正統派ヒロインかぁ。



「そうか…。 じゃ、後でな?」

「うんっ」



元気に走っていく名雪を見て、俺は幸せな感情に包まれていた。

これで俺は普通のラブストーリーをあいつと展開出来る。

悪の組織に入った理由なんて、もうどうでもいい。











翌日、俺は英語を必死に勉強してテストに望んだ。

あの名雪の優しさを無駄にしない為にも。

さー勝負だ!!



「……え? ギャグ?」



ぇ、冗談だよな?

そうに決まってるよな?

ありえないしな?



「どうした、相沢。 テスト中だぞ」



おー先生、いいところに。



「先生、この英語のテスト、数学っぽいんですけど?」



そう、なんだか数字とか記号が一杯。

手違いだよな?



「何言ってるんだ? 今日は数学だろう? 英語は明日だ」

「………」



サヨナラ、俺の単位。



「クスクス…」



名雪の笑い声が、俺の脳内で響いていた。

いや、実際には教室にも響いているのだが。

というか注意しろ、教師。











後から解った事実なんだが…。

名雪はサイフの中に入ってたポイントカードに全部『使用済み』と落書きしたらしい。

もちろん店員にすれば、専用の処理がしてないから、すぐに悪戯書きと分かるだろうが…。

使い手としては全くもって使いづらい。

やはり、名雪は悪い娘だった。




















後書きっぽい雑談

最近、寒いSSばっか書いてたので、ぬるいSS書いてみました。
でも、書き終わって思ったんですけど、ぬる過ぎで寒いですね。
仕方ないので、次はもっとぬるいSS書きますね(ループ
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