第五話  迷い〜逃走そして夜の学院〜


 

朝、それは大地に住むものの誰にでもやってくるもの。待っていれば来る事。

でも、朝に出会えない人もいる。今回はそんなお話。

 

祐一には朝とは、結構、難儀な物だったりする。何せ半強制的に起こされるのだから。

でも今日は強制的に起こされるよりも先に目が覚めてみたいだ。場所は水瀬家の食堂。

「おはよう。お父さん、お母さん、秋子さん」

大人である3人は既に起きている。まだ起きていないのは従姉妹の名雪だけだった。

「おう。おはよう。」

「おはよう、祐ちゃん」

「おはようございます。祐一さん。」

3人とも食事の真っ最中だった。ふと、秋子さんが顔を曇らせる。

「そういえば、名雪は今日は早目に学院に行かなくてはいけない日ですね。どうしましょうか……」

「え?そうなの?」

その言葉を聴いた両親は結構ひどいことを言う。

「それは難儀な事だ……」

「無理ね……」

「良い方法があるよ」

その言葉に、6つの瞳が祐一に集中した。

「本当ですか?」

「うん」

「お願いして良いですか?」

「うん。じゃあ、名雪の着替えと、僕と名雪の朝のお弁当を作ってもらえますか?」

「わかりました。」

何がやりたいのか、三人は気が付いたみたいだ。

「「なるほどねぇ……」」

「じゃあ僕は用意してくるよ。」

そう言って部屋まで戻り、授業用の服に着替え、精霊界から持ち帰った羽のセットと鱗のセットを鞄に入れた。

準備が一通り終わって、食堂に戻ってくる。

「秋子さん。荷物はどれですか?」

「これです。ではお願いしますね。」

かなり大きいリュックを渡してくれる。

「じゃあ行ってきます。」

そういって名雪の部屋の前まで来る。

『……主のやりたい事はなんとなく分かる。しかしそれで良いのか?』

「良いんだよウィッシュ。ではやりますか。」

昨日、秋子さんからもらったネコの毛を出して詞を詠う。

「この生きた証に僕の使いとして、一時の再生そして一時の生命を。息吹」

目の前に、この前の召喚した猫が現れた。

「君にお願いがあるんだ。名雪に追いかけられて学院まで名雪を先導してくれるかな?」

「うなぁ〜」

なんだか嫌そうな泣き声。駄目かなぁ?

「そこを何とかお願いします。」

「うな〜」

「じゃあ、行くよ?準備していてね。」

『……そなたに幸運を。』

そうして1人+αと1匹は、名雪の部屋に入った。

部屋に入ってから真っ先に銅鑼を鳴らす装置をはずす。そしてネコを配置につけて大きく息を吸う。

「名雪。ネコがいるよ!」

「ネコ!?」

ガバっと起き上がる。そしてすばやく部屋の中を確認する。

「ねこさ〜ん!」

その一言と共に部屋を後にしたネコを追って部屋を出て行った。

「……まだ2回目だけど、なんだかすごいね……」

『……人とは皆こうなのか?』

そう言いながら玄関まで移動する。そして靴を履く。

「それでは本当に行ってきます!」

「「いってらっしゃい。」」

そうして外に出る。外に出てから、鱗セットの鱗を一枚取り出して詩を詠う。

「この生きた証に僕の使いとして、一時の再生そして一時の生命を。息吹」

目の前には中型の飛竜が現れる。

「ごめんね。ガルド、こんなことに呼び出して。悪いけど、学院まで連れて行ってくれないかな?」

「マァ、オ主ノ頼ミナラ、ショウガアルマイ。」

「それじゃあ。お願いします。」

その背中に取り付く、そして振り落とされないように首をしっかり抱きしめる。

「イクゾ」

ガルドは、空中へと羽ばたいた。あっという間にかなりの高さまで飛び上る。

「ガルド、あっちのあの建物だよ!」

空中を羽ばたいているので、かなりの大声で叫び、指を指した。これで意思が伝わっているか不安だ。

「判ッタ。振リ落トサレルデナイゾ」

そのまま加速して学院のかなり広い校庭に降り立つ。ここまでの工程、約10分なり。

「ありがとうガルド。ゆっくり休んでね。」

そのままガルドは、元の鱗に戻った。それを元の場所に入れると校門までゆっくり歩いていく。

校門には時間が早いのか人は少ない。そこへ雪煙を出す一団?が走ってくる。名雪だ。

「ネコさん!待つんだお〜〜〜!」

「ねぇ、ウィッシュ。あれって起きてるのかな?」

『……私に聞かれても判る分けなかろう。』

なかば、呆れながら名雪が到着するのを待つ。

「ねこさん!捕まえたんだお!」

目の前で猫を捕まえてご満悦顔の名雪。場所は学院の校門。姿はネコのパジャマにネコの半纏。かなりシュールだ。

「名雪起きてる?」

話しかけたとたん、何かに気が付いた名雪が慌てる。

「あ、あれ?ここ何処?何で学院の前に居るのかな?」

『……ここまで行くと賞賛に値するな』

「名雪が寝ぼけてネコをここまで追って来たんだよ。着替えとお弁当があるから先に着替えてきなよ。」

大きなリュックから「名雪の着替え」という付箋のついた袋を取り出す。

そして名雪に着替えの入った袋を渡す。そうしたとたん、名雪は猫を抱えたまま学院の建物の中に走って入ってしまった。

呆気にとられながらも、昨日案内された教室まで歩いていく。

教室に着いたらそこには北川さんが居た。なんだかかなり哀愁が漂っている。

「はぁ、やっぱり一人で久瀬の所に行かなきゃなんないのか……気が重いぜ。」

「おはよう北川さん。どうしたの溜息なんて吐いて。」

「いや、水瀬さんと俺は昨日、自警団の当番だっただろ?それの報告に行かなきゃならないんだが……」

ガラっという音と共に名雪が教室に登場した。

「あ?水瀬さんが?何故こんな時間に?」

「お弁当有るけど、先にしなくちゃいけない仕事があるみたいだね。お弁当はその後だよ。」

「う〜、聞きたいことは一杯有るけど分かったよ。北川君、いこ。」

そのまま、放心状態の北川さんを引きずって、教室を出て行ってしまった。

報告にいった名雪達に久瀬と言う人が、びっくりして報告にならなかったのはまた別のお話し。

報告が終わって、教室に帰ってきてからお弁当を食べている名雪を見てクラスの人達が固まったのもまた別のお話し。

「う〜。みんなひどいんだよ。私だってやれば出来るんだよ。」

教室に来た香里さんと一弥、元から居る北川さんに名雪と僕とで会話をしている。内容はもっぱら名雪の早起きだ。

「不思議な事もあったものね。」

「明日は、吹雪かもしれませんね」

「もしかして、ひどい事言ってる?」

「「そんなことないわ(ですよ)」」

二人の声が被る。それに笑いをこらえる北川さんに僕。

「う〜なんだか納得がいかないよ。」

「そういえば、美坂さんに祐一君。昨日は気を使ってもらってすいませんでした。」

「べつにいいよ。」

「そうね。」

昨日のことが気になったのか、一弥が謝ってくる。

「今日、姉さんに会って貰おうと思ったのですが、今日はMクラスは戦術訓練の日ですから学院には居ないんですよね……」

「戦術訓練って何?」

「戦術訓練ってのはな、簡単に言うと模擬の戦争さ。」

北川さんが説明してくれる。

「場所は毎回違うらしいけど、Mの1と2クラスを半分に分けて戦争と同じ感覚で訓練をするわけね。」

「この季節だから1日で終わるけどね。あとそれはMクラスにならないとやれないからね。」

「ふーん。そんなことがあるんだ。じゃあ、紹介は明日だね。」

「えぇ。明日に紹介しますよ。」

そのとき、担任の石橋先生が入ってきて学院の一日が始まった。

午前中は、歴史と奇跡の力の制御方だった。歴史は聞いていても良く分からなかった。

北川さん曰く、出席する事に意義があるそうだ。

午前中の授業を終えて、昼休み。

「祐一!お昼休みだよ!」

「そうだね。お弁当どうしようか……まだ大分残ってるよ。」

「みんなで食べればちょうど良いんじゃないかな?」

朝に貰ったお弁当の量は軽く、10人前はあった。全てサンドイッチである。他には魔法瓶に紅茶が入っている。

朝に食べたと言ってもまだかなり残っている。

「あら、なら食堂には行かなくて良いわね。」

「お?俺にもご馳走してくれるのか?」

「なら僕もご馳走になって良いですか?」

「うん。良いよー」

話しが決まったら行動は早かった。元々席が近いから机を持ち寄って即席のテーブルを作る。

その上にお弁当を広げる。そして魔法瓶とコップを取り出して皆に渡るように紅茶を振り分けた。

「さて、いただきますか。」

北川さんのその言葉と共に食事が始まった。

「あら、このBLサンド美味しいわ。さすが秋子さんね。」

「こっちの卵もいけるぞ。」

「えへへ、イチゴだよー。」

「ポテトサンドもおいしいね。」

「あれ?このオレンジ色のはなんですか?」

ピキッと名雪と香里さんの表情が固まった。それがなんでそうなったのか分からないので、北川さんと一弥は戸惑っている。

「僕、何か悪い事、言いましたか?」

「いや?このオレンジ色のは何か聞いただけだと思うぞ。何か知ってるのか二人とも。」

「あ、それは独創的な味だから食べるときは覚悟がいるよ。」

固まっている二人の代わりに答えてあげる。

「「独創的?」」

「そう。独創的。表現出来ない味だよ。」

「そ、そうなんですか?」

「そんな事言われたら食べるしかないじゃないか、な?一弥。」

オレンジ色のサンドイッチは2切れ。

「じゃあ、一切れを半分にしましょうか。」

「それは男じゃないぞ!俺は一切れ貰う!!」

「じゃあ、僕と半分こしようよ、一弥。」

「えぇ。そうしましょう。」

話がついたところで、香里さんと名雪が元に戻った。よほど、謎ジャムが嫌だったらしい。

「では、話がついたところで初体験してもらいましょうか?」

「頑張ってね。北川君に倉田君。」

北川さんはそのまま一口で一切れを口の中に入れた。一弥は一口分、口に運んだ。

「ぐ、うぉ!!」

北川さんはそのまま廊下まで走り出してしまった。

「ぬ!こ、これは……」

一弥は一口でノックダウン近くまで持っていかれてしまったようだ。

「……」

僕は黙々と食べている。

「倉田君、大丈夫?」

「北川君は、自衛の為に廊下に出たわね。」

「これは、独創的な……出来れば、もう口にはしたくありませんね……」

一弥はそう言いながら、紅茶で口直しをしている。

「ところで、祐一は何とも無いの?」

「特に問題ないかな?そんなに不味いって訳でないし。」

そのコメントに3人は呆気をとられている。

「ん?何か僕、変な事言った?」

「名雪、あなたすごい人が従兄弟かもしれないわね。」

「う、うん私もそう思うよ。あのジャムに平然と出来るなんてお父さん以外初めてだよ… …」

そんな感じで、昼休みは過ぎていった。

 

午後の授業は、奇跡の力の詠唱の系統と実際の使用方法で、

午前中の続きみたいな感じだった。

概要は

系統は水・冷気、火・爆発、風・電撃、土・振動、光・再生、闇・破壊、月・幻惑、樹・癒し、の8系統にその他。

精霊によって系統が決まっていて、同じ系統の普遍的な詩は同じになっている。

ただし、オリジナルの詩も存在するので、この授業では精霊の系統に別れて授業をしていた。

その他、つまりどれにも当てはまらなかった人は、詩はその人独自の詩になる。

使用方法は、回路に魔力を回す→詩の詠唱→媒介を通して力の行使、となっている。

その一連の動きの確認、そしてその動きを応用した戦略の立て方だった。

そんな感じで、午後の授業も終わった。

 

「放課後ね。」

「うん、放課後だね。香里」

「そういえば、今日は自警団の当番はいないのか?」

「そのようですね。」

「みんなはどうするのかな?」

上から順に香里さん、名雪、北川さん、一弥、僕の順だ。

「私が用があるから直接、帰るわ。」

「俺も、ちょっと親父に呼ばれてるから帰らないといけないな」

「僕もちょっと用があるので。」

「名雪、僕らはどうしよっか?」

「今日は帰ろっか?祐一。」

「うん、そうだね。」

今日はその場で解散となった。みんな散り散りとなって自宅に帰宅した。

 

帰り道の途中。

「そういえば、朝は何であんな所で起きたのかな?」

『……この娘は天然か?』

「部屋にいた、猫を追いかけていったんだよ。」

「そうなんだ。それにしてもあのネコさんは触ってもくしゃみとか出ないの。ほんとに不思議だよね。」

幸せそうな顔で名雪が話す。

「へぇーネコアレルギーが出ないんだ。良かったね。」

「うん。今度あの猫を見つけたら逃がさないんだよ!」

そのとき前に歩いている人がこっちに気がついた。お父さんだ。

「よう。祐一に名雪ちゃん。二人とも今お帰りかい?」

「うん、そうだよ」

「父さんはどうなの?」

ちょっと苦い顔をしてお父さんは話を切り出す。

「いやーちょっと拙い事になってな。少し帰りが遅れそうだ。だから秋子さんに伝えておいてくれないか?」

「うん。分かったよ。お母さんに伝えておくね。」

「お父さんも無理はしないでね。」

「はっはっは!そう簡単にへばるほどやわでは無いぞ!お、そうだ、祐一。」

お父さんが僕の耳の近くまで顔を寄せて小声でぼそぼそと語る。

「今晩は母さんの趣味が発動しそうだから、ちょっと気を付けろよ。」

僕も小声でお父さんに返す。

「うん、ありがとう。お父さん。」

「ではまた後でな!名雪ちゃんに祐一!」

そんな言葉を残してお父さんは行ってしまった。

「祐一。おじさんはなんて言っていたの?」

「え?な、なんでもないよ。」

ここで悟られてしまったら、この先の待ち受ける試練には勝つ事は出来ない。

「うー、気になるよ……」

「そういえば、香里さんもあのジャムの事知っているの?」

ビックっとからだを震わして名雪が反応する。

「えーっと、何のことかな?」

「あのオレンジ色のジャムの事。」

「私何のことだか分からないよ。」

「そうなんだ。なら秋子さんに頼んで明日の朝のご飯それにしてもらおうかな?全部」

「祐一、極悪だよ!」

そんな感じで、話をそらして帰宅した。

 

帰宅後。お父さんの忠告は正しかった事を知った。

 

ことが起こる前の風景。日がかなり暮れてきている。

「お帰りなさい。名雪に祐一さん」

「「ただいま、お母さん(秋子さん)」」

玄関から入ったとたん、待ち構えたように秋子さんがそこにいた。

「秋子さん。帰ってくる途中にお父さんが、何か拙い事になって帰るのが遅れるって言ってました。」

「そうなの……分かりました。姉さんにも伝えておきますね。」

「そういえば、有夏さんは?お母さん。」

名雪が一番聞いて欲しくない事を聞いてくれた。

「そういえば、さっき帰ってきましたね……確か、大きな袋を抱えて。」

その言葉に反応して、靴を持って台所まで走る。

台所で、すぐに食べれてお腹に貯まりそうな物を探すが、パンにジャムしかない。

遠くのほうで母さんの声が聞こえる。その間にスプーンを鞄の中に入れる。

「おかえり、名雪ちゃん。あら?祐ちゃん知らない?」

「え?祐一ならさっき、走って台所のほうに行ったよ?」

「そうですね。姉さん、祐一さんがどうかしました?」

名雪と秋子さんは母さんが何をしたいか解らなかったみたいだけど、僕には解る。

僕を女装させるつもりだ。それだけは絶対に避けたい。

もう、こっちに向かってきているだろう。焦る気持ちを押えてパンを三切れに小瓶に入ったジャムを二つを鞄に入れる。

そして、台所の窓から外に出る。そして回路に魔力を込めて朝と同じようにガルドを呼ぶ。

「ごめん!ガルド!理由は後から話すから、学院まで連れて行って!」

「解ッタ。ツカマレ。」

そのまま、学院の屋上まで運んでもらった。

ちなみに、この後の水瀬家、台所ではこんな会話が繰り広げられていた。

「ちっ!祐ちゃんは逃げたみたいね。」

「あら?ジャムの瓶が二つ無くなっていますね。」

「祐一は何ジャム持って行ったのかな?」

「今晩は帰ってこないわね。だとすると、月宮家かしら?」

「無くなったのは、ラズベリーと新作のジャムですね。」

思い思いにしていた会話がそこで途切れた。そんな感じで会話が繰り広げられていた。

 

僕は学院の屋上でガルドに今まであったことを説明した。

「オ主モ苦労シテイルナ。」

全てを聞き終わったガルドはそう呟いて、元の鱗に戻った。

夜の闇は神遠の国の全て包み込んだ。例外も無くここも。

「とにかく医務室で寝れば死ぬ事は無いよね。」

『……そうだな。』

屋上から移動しようとしたその時、僕の耳に泣き声が聴こえた。

「ヒック……ヒック……」

「なんだろう?」

僕は声のする方へ歩いていった。音の発生源には小さな女の子が泣いている。

「どうしたの?」

「!……あなたには私が見えるの?」

「うん。見えるよ。それよりも何で泣いているの?よかったら僕にも聞かせてくれなかな?」

女の子は、僕を見てかなり驚いている。いや、自分が見えている事についてかもしれない。

「……」

「無理にじゃなくて良いよ?」

その時、グぅーというお腹の音がした。僕じゃなくて女の子から。

「えっと。お腹すいてる?」

女の子は顔を真っ赤にして頷いている。

「じゃあ、一緒にご飯食べない?」

「……でも、良いの?」

「一人で食べるよりも、二人で食べたほうが美味しいもの。」

そう言って、スプーンとパンの一切れと赤色のジャムを女の子に渡す。

僕は、パンをもう一枚出してオレンジ色のジャムを手でパンに塗りつけた。

その様子をずっと女の子に見られていたけど、

「いただきます。」

と言って、ジャムを塗ったパンを頬張った。

その様子を見ていた女の子もスプーンでジャムを塗り

「いただきます。」

と言ってパンを食べ始めた。

二人とも無言でパンを食べていた。気がつくと二人とも同時に食べ終わっていた。

僕はもう一枚取り出して食べようとする。ふと、隣の視線に気がついて。

「もう一枚食べる?」

「でも……」

「なら食べて良いよ。気にしないで。」

そう言って女の子にパンを渡した。女の子は、申し訳無さそうにパンにジャムを塗って食べ始めた。

そういった僕は、小瓶からオレンジ色のジャムを取り出して直接食べていたりする。

小瓶には言っていたジャムは、ちょうど二枚分くらいの量のジャムだったみたいだ。

無言で食べる時間が続く。でも始めのほうのような雰囲気ではなかった。

「「ご馳走様でした。」」

二人でそう言って、食事は終わった。残ったのはスプーンが一つに、空の小瓶が二つだ。

二人を包む、夜の闇はどんどん濃くなっていく。

しかも今晩は綺麗な満月だった。

 


登場人物説明

 

石橋 彰雄

守護精霊:銀糸 回路の位置:右手首 能力:媒介の操作 媒介:包帯

 学院の教師で、守護者のうちの一人。美坂チームのいる2−A−Sの担任。学院にて後進の指導をしている。

担当しているクラスは総合演習と格闘術。格闘術はかなりの物を持っている。学院の教師の多くは、守護者の人。

直接指導している人間に自警団長の久瀬圭一がいる。大らかな性格。

 

 

 

補足説明。

祐一の母親つまり有夏さんの趣味は裁縫で作ったその服で祐一を女装させる事も含みます。

 


あとがき

舞編の始まりです。この辺の評価は、かなり分れると思いますが、こんな形にしてみました。

戦闘描写がかなりしょぼいので、どの〜〜編は余り長くならないものと思います。

しかも、展開はこじつけ気味になってしまうかもしれません。その時はこいつは未熟だな程度に思ってください。ゆーろでした。

 


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