精霊と人の詩。

   第二十八話   だから貴方は微笑んで〜諦めない心〜
何故あの時にこれだけの力が無かったのか。何故あの時の事を忘れてしまっていたのか。 思い出してから考え付くだけ繰り返した自問自答。答えが出てくるわけが無かった。 無理やり答えを出そうとして出る、分からないという答え。そんな一番人間らしい感情、考えで逃げるのは卑怯だと心が告げていた。 心のどこかで考えていた、神遠や精霊界で助けていた人・精霊たち。それを思い出して悲しくなった。 「なんて、幸せな夢を見ていたんだろう……」 >目を潰してしまえ。そうすればこんな物を見ないで済む。 自分に助けるだけの力が有り、自分が救えるものを救っている現実。 しかし、不安定な祐一の心の中では幻想でしかなかった。 どんな映像にしても無気力。そして無感動でそれを見ている。 まだ混乱している。そうとも言える。まだ妹は生きていると思いたい気持ち。 それとは対立する、妹は既に死んでいると主張する気持ち。その二つのぶつかり合いに疲れていた。 そして、疲れ果てた精神で見た映像を、幻想でしかないと認識されてしまえば、それは夢と解釈されてもしょうがない。 ゆっくりと涙を流しているであろう頬に手をあてようとする。しかし、手も動かなければ、涙も出ていなかった。 「都合のいい夢……僕が求めていたもの……」 >耳を潰してしまえ。そうすればこんな物を聞かないで済む。 幻想を夢見て、理想を夢見て、目の前にある事実を許す事は出来ない。 現実の手前には自分を決して許してはいけない事実が何度も何度も繰り返されている。 何度も何度も手を動かし頬に当てようとする。動かない事が分からないのか、壊れた機械のように何度も何度も繰り返す。 「僕は……幻想に幻想を重ねて生きてたんだ」 >心を閉じてしまえ。そうすればこんな物を感じないで済む。 「なんて綺麗な夢。」 >感覚を閉ざしてしまえ。そうすればこんな物を感じないで済む。 どんなに綺麗な夢を見ようが、祐一に刻まれた後悔の念は消えない。むしろ強くなっていく一方だった。 目の前に現れる祐夏。祐一はそれを見て涙を流す。しかし涙も流れなければ体も動かない。 ただ、壊れたように、ごめんね。僕が力が無かったばっかりに。と繰り返していた。 「許せないのは自分自身。こんな自分なんて要らない。」 >それならば、自殺しろ。そうすれば自分は無くなる。 心のどこかで呟かれる甘い言葉。それをやろうとしても体は動かない。 壊れたように言葉を繰り返す祐一に目の前には悲しそうな顔をした祐夏がいる。 だからだろうか。甘い言葉に耳を貸しこそすれ、妹の前ではそれをやろうとはしない。 心のどこかで思っているのだろう。そんな事をすればそんな事をすれば妹はもっと悲しい顔になるだろうと。 「あぁ……」 >偽善。甘え。お前にそんな資格があるのか?貴様など死んでしまえ。 先ほどまで甘い言葉を囁いていた声は一転して祐一の心を切り裂くような罵声を突きつける。 祐一の目には何かに歪んだ祐夏の顔が映っていた。 最後の一線で祐一はその場に存在していた。今にも潰れそうなその心で。 名雪は父親を見上げながら思う。やっぱりお父さんなんだと。 強い。お父さんを理想として、そしてその理想を追いかけてきた。だから。 私が勝てないのは当たり前。その技の全てがお父さんから教えられた技だから。 動きが同じなのは当たり前。お父さんの動きを自分の理想として過ごして来たから。 精霊が同じなのは当たり前。だって疾風はお父さんが亡くなった直後に私の守護になったから。 武器が同じなのは当たり前。この双剣は元々はお父さんの武器だもん。あのカソックだってお母さんが大事にしてるものだし。 ここで諦めるのは当たり前?勝てるはず無いよ。だってお父さんだもん。もう、立ち上がるのも億劫だよ。 「ここで諦めるのか。」 お父さんはここを守る事が一番大切なことなんだよね? なら何でそんな泣きそうな顔をするの? 私は悪い事を……してるね。だって人の心の中に無断で入ってきているもん。 「それならそれで良い。早く出て行くんだ。」 私、何か思い違いをしていなかったかな?何で諦めなきゃいけないの? あれはお父さんだから?絶対に勝てないから?それって何か間違ってないかな? お父さんを倒さずにそのまま前に進むなんて裏技は無いよね? そんなこと考えてるから負けるの。病は気からって……これは考える事とちょっと違う。 でも、そんなずるしちゃあいけないんだ。たぶん、この先はもっと辛い事が待ち受けてるから。 そんな辛い所に祐一を一人で置いておくの?私ってそんなに薄情だったかな? だったら見上げてないで立ち上がらないといけないよね。あの先に祐一がいるんだよ! 「どうした?そのまま帰るんじゃなかったのか?」 「そのまま帰れば、絶対に私は笑えなくなるよ。だって祐一にずぅっと甘えっぱなしだったもん。」 「そうか。」 「私も祐一を見習わなくちゃ。あの小さな体でどんな事を身に刻んできたのか分からない。でも!」 名雪が足に力を込めて立ち上がる。その姿は立ち上がるのが精一杯と言う感じが否めなかった。 「私も見たわけじゃないけど……祐一は諦めなかった!だから栞ちゃんや舞さん、飛鳥ちゃんがいる!」 一瞬だか神無が笑ったような気がした。その顔を見て私は間違っていないと感じる名雪。 例え祐一の中で作られた存在とはいえ、名雪の父親だった。しっかりと名雪を導いていた。 「諦めたらそこでお終い。だったら。私は諦めないんだよ!」 「そうか、その心意気を見せてもらおう。」 神無は人差し指を一本立てた。名雪は何の事だか解らないという顔をする。 「一撃だ。私の展開しているウェアーウインドを破って見せろ。でなければここを抜ける事は出来ない。」 「……そんなのは要らないんだよ。」 「そうか。せっかくの機会だったのにな。」 「それでお父さんを負かしても何の自慢にもならないんだもん。」 今まで見えなかった守護の精霊。疾風が初めて名雪に見える。 死ぬ覚悟が決まったためか、何のためか解らない。 名雪は魔力を両足に回しつつ、疾風に話しかける。 「ごめんね。こんなに頼りない私で。」 『……』 「私はお父さんほど貴方と仲良くなかったね。最後の我侭で良いから私に力を貸して。」 『……良かろう。名雪の正式な守護に入ってやる。』 「っ!ありがとう疾風。」 『ふん。』 嬉しさに目に涙を溜めつつ名雪は頷いた。 そして、神無も名雪も詠唱に入った。 「その魂は気高い。気高い魂は常に一つだった。前を見てただ諦めない。傷つき、ただ一人でも諦めないその姿。」 「貴方は私を求め、私は貴方を求める。そこに貴方が居るから私はここにいる。私の隣には貴方が、貴方の隣には私が。」 「何故、私は手を差し伸べなかったのだろう。何故、見ているだけだったのだろう。何故、何も出来なかったのだろう。」 「私は貴方と共に歩むために全てを否定する。デットロック。」 神無の右足に先ほどまでの風とは比べ物にならない暴風が集まっている。 それがデットロックの一言が紡がれた瞬間にその足に固定された。 一方の名雪には、風という風は集まっていなかった。 「私はその気高き魂と共に歩むために。その隣にあるために。共に笑っているために。剣を力をどうか私に。」 「私と貴方に風の加護があるように。ここに誓う。これからの長い道を貴方と共に歩まん。デットエンド。」 「純粋なる……風の……刃よ!!今、私の手に!!『だから私は負けることは無い』!!」 名雪の足には風は集まらない。代わりに風が吹いて出て行くばかりだった。 カマイタチと爆風のぶつかり合い。名雪の最強と、神無の最強がぶつかり合っていた。 その姿は、いったい何と言えば良いだろうか。 瘴気を纏い、有るだけで禍々しいと思える真っ黒の存在がそこにはいた。 「……魔族そのものね。懐かしいわ。」 「だって魔族の知識ですもの。姿が魔族でもおかしくないと思いますよ。それよりも……」 「何故、幻影である私が魔族の姿を知って、懐かしいと言っているのか?そうね?」 「えぇ、その通りです。」 「私は祐一の記憶が殆どある。補正を受けているのはそういうことよ。」 何だかかなり複雑そうな顔をしている栞。 おちょくるような顔をして香里は栞をからかいに掛かる。 「あら、私が祐一と呼び捨てにしたのがそんなに気に食わなかったのかしら?」 「……そんなこと言う人、嫌いです。」 ちょっと機嫌を損ねた感じの栞に香里は苦笑で返した。 「その姿。とても不快だわ。」 「私だって不快です。」 「そう。」 「魔族の利点、いえ、私の利点ですね。何だと思いますか?」 何の前触れもなく、5本の火柱が急に立ち上がった。 それは香里の周りを取り囲むように展開している。 「そういう事ね……」 「分かりましたか?」 「詠唱無しっで力を行使できると言いたいわけね。」 「私の継承した知の魔族の利点です。」 「なるほどね。なら納得も出来るわ。」 「何に納得だ出来るのか判りませんが。」 「力の魔族の頑丈さは知っているわ。半端じゃないもの。それだけじゃあ精霊界は征服できない事もね。」 「精霊界……」 「知の魔族……厄介ね。それを相手にするには私じゃあ、無理ね。」 「えっ?」 香里の姿が、徐々に霞んで、変っていく。 思ってみなかった展開に栞は目を白黒させる。 まさか、ここに来て相手が変化するなんて。 (拙いです!そっちはもっと拙いです!) 「そう、栞が拙いと思っているのは私、美坂香里よりも……」 声が徐々に変り、姿が完全に入れ替わる。 懐かしい声、栞に対して戒めをしたあの白い精霊の声だった。 「私、ウンディーネの事ね。」 「えぅ……」 「私は言ったじゃない。『栞さん。良いわね、その力を悪用したときはあなたは私に消されるから。』って」 「油断ですね……」 「そうね。貴方が自分で掘った墓穴ね。あの火柱を直撃させていれば終わっていたのにね。」 栞は完全に参ったといった顔。もっとも会いたくないという存在。 完全な虚像とはいえ、あの最古の8精霊が相手なのだ。 それも、祐一が親しい間柄なのは間違いない。それだけ隠し玉が有ってもおかしくない。 「天狼、ちょっと控えていてください。私だけでやらせてもらっても良いですよね?」 『解りました。待っています。』 「相談は済んだのかしら?」 「えぇ。済みました。」 ウンディーネが呆れたような顔で栞を見ている。その顔をが引き締まった。 「その覚悟。見せてもらおうかしら。」 「……手は抜けません。行きます!!」 先手必勝とばかりに栞が仕掛けた。 手をかざしてパチンと鳴らす。ウンディーネがした動作はただそれだけだった。 ピキン! 栞の行く手を氷の檻が遮る。ウンディーネは詠唱をしていなかった。 「このくらいの力なら詠唱なんて必要ないわ。」 「そうですね。無駄に長生きはしていないですものね。おばさん。いえ、おばあさんですか?」 「……その言葉、万死に値するわ。」 明らかに怒っている。栞は絶対零度の視線という物を体験していた。 しかし、それで怯む者ではない。 「私は貴方の最大威力の技を知っていますから。通用しないと思ったほうが良いですよ?」 「それはいい事を聞いたわ。なら、次の最善を探せば良いだけの事。また墓穴を掘ったわね」 「いえ、そうでもありません。時間が取れましたから。」 ウンディーネの後ろには夥しい数の雷球が浮かんでいる。そして目の前にもそれは一斉に浮かんだ。 息をするまもなく、それは襲い掛かる。 「純水は電気を通さないって言われてるけど。それでは駄目ね。塩水は電気を通しやすいって知っているのかしら?」 水の檻が地面からウンディーネをあっという間に包み込む。雷球が触れて水は瞬く間に沸騰していく。 水が減る量と同じだけ、水は注ぎ足されていった。 「水を地面から延ばしてアースとして使う。そんなことは簡単な事よ。私は宙に浮いていれば良いだけだもの。」 雷球が全て無くなってから、悠然とウンディーネは種明かしをした。栞はそれを黙って聞く。 「知の魔族、恐るるに足らずね。」 「そうですか?それと、私は知の魔族ではなくてその知識を受け継ぐ者です。間違えないでください。」 栞は悠然と微笑んで訂正してみせた。 そして余裕のある声で続ける。 「ここまでが時間稼ぎだとは思いませんでしたか?」 「貴女が狙っているのは、魔法陣による力の行使。それは私も望む所よ。」 「えっ?」 「何故。貴女が近づこうとしなかったかを考えれば、ある程度予想はつくわ。それに私の最善の策もそれだし。」 「……なら、力比べ、技術比べと行きますか?」 「えぇ、望む所よ。」 栞の足元には黒の魔方陣。ウンディーネの足元には白の魔方陣が表れていた。 それに手をつけて起動させる栞。つま先で軽くコツコツっと叩いて起動させるウンディーネ。 魔方陣はお互いの足元から目の前に、立ち上がった。 栞の黒い魔方陣は円が幾重にも重なったような魔方陣。 ウンディーネは白い三角形が複雑に絡み合ったような魔方陣だった。 奇しくも、存在自身も黒と白。対決する魔方陣も黒と白だった。 それらから発せられる激しい、瘴気と冷気のぶつかり合いになった。 香里が祐夏のディザスターを避けてから祐夏は感情の赴くままに魔力の渦を発生させては香里を襲わせる。 香里は祐夏の発している魔力の渦を手にした篭手に魔力を込めて、打ち払いながら叫び続けた。 「あなたは祐一君がそのままで良いと思ってるの!?」 「そんな訳、無いじゃない!」 「私だってね、一緒に買い物だってしたいし、祐一君と手を繋ぎたい、抱きしめて欲しいし、抱きしめてあげたい。」 「何を言ってるの!?」 「頭を撫でであげたいし、撫でてほしい。でもね。」 何を行っているのか解らずに、ひたすら困惑する祐夏。香里は一度区切って祐夏を睨みつける。 その間も、祐夏から際限なく飛び出てくる魔力の塊を打ち払っていた。 その打ち払い方は若干怒りが混じっているのか少しだけ無駄があった。 「今一番して欲しいのは微笑んでもらうことよ!祐一君が心から微笑んでいるところを見た事あるの!?」 「……ある」 「私が見た事があるのは何かに躊躇って微笑んでいるところだけ。でもそれは心からじゃない。本当にそのままで良いの!?」 「でも私にはその資格は無いの……」 「甘ったれるんじゃないわよ!あなたはそんな祐一君を見て嬉しいの!?」 「でも!でも!!」 「資格があるないは関係無いじゃない!あなたはただしていないだけ!」 香里は頭にきていた。 自分の心の中に有る大きな傷に気が付かずに、他人を簡単に救っていく少年に。 その少年の中にいて、少年を見守り続け、時に力を貸し、影ながら少年を守り続けた少女に。 何故もっと、この子達は他の人に心を打ち明けなかったのか。 何故もっと、周りの人たちはこの子達に優しくなかったのか。 何故もっと、私は気が付いてあげれなかったのか。 悔やんでも悔やみきれない。そんな想いだった。 「何でそんな事、言うの!?祐夏は悪くないじゃない!」 「ならなんで、何もしないの!?」 「そんなの関係ないもん!!」 「我侭を言うくらいなら、何をすべきか考えなさい!」 「貴方なんか消えて無くなれ!」 激しい魔力の奔流がまたも、祐夏の下に集まっていく。 祐夏に近付き切れた香里はそんな祐夏の頬を平手で殴った。 ぱしぃん。 そんな乾いた音が、その場に広がる。 「確かにあなたは悪くない。でも、祐一君に甘えるだけの貴方は悪いわ。」 「……」 「甘えるだけなら誰にだって出来る。そう私みたいに。私は祐一君に私の気持ちを伝えたい。」 香里の行動に、言葉に魔力の奔流が止んでそのままその場に留まった。 祐夏の目に、左目に水が見る見るうちに溜まっていく。 「あなたは祐一君に自分の気持ちを伝えた事、有るの?」 「……ぐす、うわぁぁぁぁん」 祐夏の泣き声。広がる声と共に祐夏の下に集まっていた魔力の奔流も薄まり、広がっていった。 祐夏はその場に跪いて泣き始めた。その声は痛々しい。 泣きながら何か言おうと必死になっている。香里はそんな祐夏を優しく抱きしめた。 「私だって……笑って欲しい……私の気持ちを伝えたい!……でも、でも!」 「怖いのね。もしかしたらあなたの事を恨んでいるのかもしれないと。」 「うん、だって……だって!」 「大丈夫よ。あなたの気持ちは伝わるわ。」 「……本当?」 確信のある、強い調子でゆっくりと祐夏の頭を撫でながら香里は優しく返事をしていく。 その返事を聞いていくたびに徐々にでは有るが、祐夏は泣き止んでいった。 「大丈夫。私がそばに居てあげる。」 「本当?」 「えぇ。あなたの気持ちがちゃんと伝わるまで、それにね。」 「それに?」 「祐一君はあなたの事を恨んでなんかいないわ。恨んでいるとしたらそれは祐一君じゃない。」 「そうなの?」 「そうよ。私を信じなさい。」 「何でそんな事を知ってるの?」 「祐一君はね。優しいから、恨むなんて事は出来ないのよ。」 香里は微笑みながら、祐夏を見る。 「行きましょう。祐一君の所へ。」 「うん……」 少しうなだれる祐夏の手を繋ぎ、香里は歩き出した。 「ちょっと待って。」 祐夏は両手で顔を叩いて気合を入れるような事をしている。 「何をしているの?」 「気をしっかり持たないと……飲み込まれちゃう。」 「……どういう事?」 「私も数えるほどしかお兄ちゃんの精神の近くには行った事が無いの。それは……」 その時の事を思い出しているのか、祐夏が小さく体を震わせた。 「一番お兄ちゃんの心の闇に近いの。だから……」 「だから、気をしっかり持たないと闇に飲み込まれるって言う訳ね。」 「お兄ちゃんの心の闇は普段表に出ないから、私も手を出せない。」 「そんなに強いの?」 不思議という感じで祐夏を見る香里。祐夏は首を横に振って答えた。 「強い、弱いは別にして誰だって心の闇を持ってるんだよ?」 「それはそうだけど……」 「たまたま、お兄ちゃんの闇は強かったの。ただそれだけだよ。」 「そう……」 香里は信じられないといった顔で考え込んだ。もちろん信じられるものでは無い。 祐夏はため息を吐いて、香里を見上げている。 「考えてもしょうがないわね。行きましょう。」 「うん。」 「その時、はその時。何とかなるし、何とかするわ。」 「……あまり頼りにしないけど、頼りにしてるね。香里さん。」 「何だか引っかかる言い方ね。」 祐夏は笑いながら香里の手を引いて歩いてる。 香里はこれが私ではなくて、祐一君ならもっと幸せなのだろうと夢想した。 それが例え精神の仲でも実現の物となるのだからっと、少し微笑んで一緒になって歩いている。 例えこの先にどんな危険があろうとも、その事が実現するなら力を振り絞ろう。そう決意をしていた。
技説明 『だから私は負けることは無い』:名雪が父親の最後を見て、そして、その前で泣き崩れた時に疾風が作った詩。 一番詠いたくない、そして一番名雪にとって威力のある詩。風を集めてぶつける技ではなく、 風を吹かせて、カマイタチを発生させてダメージを与える技。ちなみに神無は知らない。
あとがき 何と言いますか、同時進行的なことばかり続けてます。どうもゆーろです。 実際に同時進行で起きていることなのですが……もっと良い方法が有ったのではないかと思います。 でも、前回からやってきたものを急に変えるほどの良い方法も思いつかずに結局こんな形で落ち着きました。 では、ここまで読んでくださった皆様に感謝します。ゆーろでした。
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