精霊と人の詩。

第二十四話   だから貴方は微笑んで〜親達には反抗を。私達には勇気を。〜
「でも方法が無い訳でもないです。もっとも一人でも行きますよ。」 沈黙を切り裂いたのは栞の一言だった。栞が意思を込めてウィッシュを見る。 「あら、栞だけ行かせるわけ無いじゃないの。」 「そうだよ、私も行くから。」 「美坂チームのチームワーク見せてやろうぜ!な!一弥?」 「そうですね。祐一君を連れ戻さないと、美坂チームじゃ有りませんしね。」 ちょっと香里が恥ずかしそうにしているが、それでも嬉しそうだった。 「私も行くよ!舞!負けてられないよ〜、祐一は恵チームの一員なんだから!」 「……いつの間にチームが出来たの恵?」 「あーもう!舞はいつも細かいんだから!行くの?行かないの?」 「行くに決まってる。」 「佐祐理も行きますよ〜。今度は佐祐理達が祐一さんを救う番です。」 佐祐理の最後の一言に舞と恵が頷いている。やはり仲が良いのか悪いのか判らなかった。 「祐兄さんを放っておくなんて、人としてそんな不出来な事は出来ないでしょう。」 「あぅ、真琴も行く。」 「僕だって祐一様に恩が有りますから。行きますよ。」 美汐の後ろの定位置に真琴。その横に幸大が居る。何となく、真琴はこのメンバーに慣れていないようだった。 「もちろん、僕だって行くよ!」 「お兄様、私を止めるだけ無駄ですからね。」 「あぁ、解っている。私は残って、先生方の足止めをしよう。」 どうやら、神遠メンバーでは圭一だけが残る事が決定したようだ。 「それに私は、役に立てないからな。」 「お兄様それはどういうことかしら?」 「光の柱が落とされた後に、私が情報収集をしただろう?」 「えぇ、していましたね。それが何か?」 「祐一君の情報だけがすっぽりと無いんだよ。見てみれば解る。」 そう言って、圭一の媒介である本を飛鳥に渡す。飛鳥はそれを素早く確実に読んでいく。 ちなみに今日だけで消費した圭一の本は17冊だ。普段なら一週間に2冊消費するかしないか、その程度の情報しか入ってこない。 圭一の本を読み終わった飛鳥は驚いた顔を上げる。そこには祐一の情報だけが無かった。 「どうやら、情報化が出来ないようなんだ。だから私は役に立てない。」 「そうしたら、後は手当たり次第に探すしかないね?」 あゆのちょっと困った一言に皆がため息を吐きかける。 「それなら多分、大丈夫だ。」 「北川さん?それはどういう事でしょうか?」 「さっき、冬葵さんに投擲用のナイフの追加注文を受けたんだよ。何に使ったか聞いたら、また今度って言う話になったんだ。」 「それが祐一さんと何か関係有るのですか?」 「それでおかしいと思って俺の精霊に場所を探らせると、倉田先輩。そうしたら一つだけ氷の森にある。」 「じゃあ、先ほどの祐治さんがあれほど殺気立ってたのは……」 「たぶん、相沢の奴と戦ったんだろうな。」 「……結局、祐一の場所は?」 「たぶん、氷の森に居ると思う。まぁ、大体の位置しかわからないけど。」 「それでも上出来。」 こつん、こつんと、部屋の窓が叩かれる。窓の外には烏が一匹、居る。観鈴が窓を開いて烏を部屋の中に入れた。 『ぴこ〜』 烏からの変な声により、気まずい沈黙がまたも皆を包み込む。 『あ!こら、なにやっとんねん!ポテト!ぴこ〜!?』 「お、お母さん?」 『観鈴か?ちょっと待っとき。』 「う、うん。」 「ポテトだな。あれは……」 「にはは……」 事情がわかっているエアの2人組み。烏と会話していた、エターナルの3人組に佐祐理達でもこの事態は唖然とするしかなかった。 『ふう。居候、手伝いをしてやるんやで。』 「晴子、そんな義理があるのか?」 「往人さん……」 『有る!あの有夏に恩を売れたら痛快やんか!』 「俺にメリットはあるのか?」 『帰ったらラーメンセット奢るで。』 「お、お母さん……そんなので往人さ「やる。」」 観鈴の呟きが途中で消された。どうやら往人はやる気が出たようだ。 浩平が思い出したように圭一に向かって宣言する。 「俺たちも手助けさせて貰うぜ?こんな面白い事は滅多に無いからな。」 「もう、先に私たちに相談してよね。」 「七瀬さん、無駄だよ……浩平、こうと決めたら何をしてもそれはやるもん。」 「おいおい。それじゃ、俺が頑固者みたいじゃないか。」 「いたずらでも、何でも、浩平は何時もそうなんだもん。」 「それもそうね……。折原を止める立場にある私たちのことも考えて欲しいわ。」 「う……」 「そういうわけで、私達も手伝わせてもらうわ。」 「よろしくね。」 「あはは〜、こちらこそよろしくお願いしますね。」 舞と恵が顔を見合わせて外に出て行こうとする。それを佐祐理が引き止めた。 「舞と恵は何処に行こうとしてるの?」 「ちょっと……ね」 「……お母さんを説得してくるだけ。」 「かり〜、はんと〜、捕獲しま〜ス♪」 謎な歌を残して部屋を出た二人。しばらくして帰ってきた二人。舞の背中には眠っている冬葵が居た。 眠っているのか、気絶をしているのか解らないが、とりあえずは圭一の負担が減った事になる。 「……裏が取れた。」 「うん。私達が頼んだらお母さん快く答えてくれたよ。」 「母さん達は祐一と戦ってた。」 二人で顔を合わせて冬葵を部屋にあるソファーに横にする。 「それじゃ!行こう!」 「行ってくるといい。後は任された。」 恵の元気な声に促されて、部屋を出て行くメンバーを見ながら圭一は言い訳を考え始めた。 (美坂チームと栞さんにあゆさんは水瀬さんが猫を追いかけて行った、それを止めに行ったで良いですね……) 何か、とんでもない言い訳だった。 夜の帳が下り、暗闇に支配された世界。今夜は月も雲に隠れて光は殆ど無い。 光は殆ど無いが、あたり一面に降り積もり、春が来るまで溶ける事の無い雪のおかげで辛うじて辺りの様子がわかる。 もしその雪が無ければ、火でも熾さない限りはあたりは見えないだろう。 その雪のおかげで一面真っ白な世界。木が凍り、命さえも冬の時期は凍りつくといわれ、冬には誰も入り込まない氷の森。 誰もを入る事を拒むであろう凍った木々。その木々が途切れ、大きく開けた所に祐一は居た。 大きく開けた所の周りには、木々が整然と並び、その場所が誰かの特別な場所である事がわかる。 だが、その場所は寂しい場所でも有った。あたり一面は雪で埋まり、色という色は白で塗りつぶされている。 その中で、泣くわけでもなく、何かをするわけでもない。ただ、その場所に祐一は立ち尽くしていた。 その目の前には青い水晶で、出来ている墓石らしき物がある。それは相沢祐夏の墓だった。 がさ。 祐一はそんな音にも反応はしない。祐一の目の前には香里が立っている。 反応はしないが、威圧感だけは放っている。その威圧感は意図して放っているようではなかった。 ぞっとする感覚。香里は祐一の顔を見てそれを感じ取った。疲れたとかそんなレベルの顔ではない。 表情の無い顔、無表情ではない。目には感情の色は読み取れずに暗い色を宿しているのみ。 感情というものが全て抜け落ちてしまった感じ、どんな事を経験したらそんな顔が出来るのか、香里には心当たりがあった。 (もしかしたら、栞を失ったら私もこんな感じになっていたかもしれない。) それを思うとぞっとする。そんな祐一から放たれる威圧感よりもそれの方が香里には怖かった。 もし、栞が助からなかったら、目の前に祐一が現れなかったら、今の私は無いかもしれない。 感情の抜け落ちた祐一の顔を見てそう思う香里。そして、そんな顔をすべき人ではないと心に思った。 がさ。 香里の視線の先、つまりは祐一の後ろから浩平がひょっこりと顔を出した。 今まで物音にも反応しなかった祐一が、突然動いた。祐一の感じる気配の中に浩平が入ったためだ。 正確には、浩平の守護精霊の永遠が気配に入ったからだ。異常といえば異常。でもそれは当然の行動だった。 浩平がある一定の距離に入ると祐一はそれだけ離れようとする。 「……正しい判断だな。」 浩平は呟いて、祐一に近づく事をやめた。先ほど森の中に入る前の説明が頭の中によぎった。 (良いですか?お姉ちゃん達、先遣隊は祐一さんの誘導です。私に秘策有り、です。頑張ってこの地点まで誘導してください。) 栞の言葉を信じるわけではないが、浩平の勘がここで祐一を逃してしまうのはまずいと告げている。 何よりあの格好、放たれている威圧感。遠目に見ていたときに放たれていた物とは全く異質な物。 そして、祐一に詠唱を許せばただじゃあ済まない事は解っている。詠唱されたら負け、それは全員の総意だった。 祐一を誘い込むためにこの場に来ているメンバーは香里、一弥、佐祐理、真琴、幸大、浩平。 それを追い込むためにこの場に来ているのが、名雪、北川、美汐、観鈴、往人、瑞佳、留美。 追い込んだ先に配置されているのが、栞、飛鳥、舞、恵、あゆ。 配置完了の合図が2つあがる。そして、作戦開始の目立つ合図、瞬間だが大きな火柱が上がった。 (まったく!栞は……) 妹が上げたであろう火柱に香里はため息を吐きつつ、自分の隣に配置している真琴に目をやった。 その場には既に詠唱に入っている真琴がいる。香里も、精神を集中して詠唱に入った。 「火の精霊よ。力を貸して。仲間を守るための力を。この力は仲間の為に。」 「我は望む、絶対の温度を。圧倒的な熱を。全てを焼けるだけの熱量を。」 両手に付けられている篭手の上の辺りが熱の為にゆらめき始めた。 「だから力を貸して。炎の壁は仲間を守るために。灼熱炎壁!」 「熱よ、行け、壁を形成せよ。フレア・ジャベリン!!」 隣に配置していた真琴からも同じような熱を感じる。それは祐一を挟んで、2つの炎の壁が出来上がった。 一直線の炎の壁。それは森の中で多分一番大きいであろう大樹に向かって伸びている。 真琴と香里はこの壁を維持するために、この場から動けない。香里と真琴のその横にそれぞれ黒装束の者が二人現れた。 「真琴様と香里様を守り抜いてください!よろしくお願いしますよ!」 幸大が槍を抱えた4人組を引き連れて走っていく。香里と真琴の警備に当たる4人はそれに頷いて答えた。 その後ろを浩平が追うように走っていく。祐一の誘導の始まりだった。祐一は左右に出来た壁を見てはいない。 見ているのは追ってきている浩平だった。しかしそれも見ていると言って良いのか解らないほど目に光が無い。 真っ直ぐ走ってくる幸大に浩平。浩平とは距離をとりつつ、動き始めた祐一。 祐一の左右も炎の壁。退路は一つしかないと感じたのか、祐一は翼をはばたかせて空中へ舞い上がった。 「えっ?」 「しまった!」 こんな事考えていなかったといわんばかりの幸大の反応に、予測していても、どうしようもなかった浩平。 そんな二人を置いていくように空中に舞い上がる。 「人形よ。」 空中に待機していた観鈴。往人の人形(甲冑)を重たそうに抱えながら祐一の進路の上をとる。 抱えている大きな甲冑から出ている紐を持ち、空中にぶら下げた。そして人形の腕は鋭い振りで祐一を攻撃し始めた。 しかし空中の利は祐一にある。避ける動作が観鈴任せな上に、慣性が働いて巧く動かない。 炎の壁の外側から空を見上げる往人。その表情にいつもの余裕とふてぶてしい表情は無い。 がん!ごん!きぃん! 「が、がお」 「くそ、なかなかうまくいかないな……」 火花を散らしながら甲冑が果敢に祐一に攻撃を仕掛けている。甲冑に攻撃が当たるたびに甲冑が大きく揺れ、観鈴は大きく振られた。 地上の往人はいつもと違う場所での人形の動きに集中力を急速に消耗している。 空中の観鈴も重たい甲冑を持ったまま力を行使しているので、かなり消耗してきていた。 二人で、悪戦苦闘しながら、祐一の進路を塞ぐ。如何に甲冑といえどもその身はかなりボロボロになってきていた。 がきゃん!ダスン 「……悪あがきはさせてもらう!」 決定的な一撃が甲冑の胴の部分に入った。胴には大きな穴が開き、祐一の腕は貫通して胴の後ろ側にまで達していた。 最後の悪あがきとばかりに、甲冑の片腕は祐一の腕を掴んだ。そしてもう片方の腕は翼に伸びていく。 腕に取り付けられていた美汐の付箋を祐一の翼に貼り付けて甲冑はその動きを止めた。 がくんと力が無くなったように腕がたれ、カランと地面に甲冑から罅割れ取れた破片が落ちる。 「いま!」 「おうよ!」 観鈴の叫びに、甲冑の肩の部分にぶら下がっていた北川と名雪が祐一の翼めがけて飛び出た。 祐一はとっさに出てきた二人に対応する事が出来ない。観鈴は紐を離してその場を離脱した。 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「ライトニング・インパクト!」 ザンザンザン!バシュ!ばき!ぼきぼき! 甲冑より近い方の翼を北川が、遠い方を名雪が受け持ち、それぞれが翼に攻撃を加える。 北川は翼を槍を突き刺し、北川を守るように展開した刃物が祐一の翼を貫く。 名雪のほうは能力を行使して、真ん中の羽をめがけて蹴りを入れる。威力は上下の翼に行き渡った。 激しい音を立てて折れたり切り裂かれる翼。祐一は空中に居る事が出来なくなってしまう。錐揉み回転しながら地面に落ちた。 名雪と北川はそのまま地面にダイブする。北川は幸大の4人組にキャッチされすぐに地面に降り立った。 名雪はというと、地面に降り立つ寸前に能力を行使、雪を舞い上げながら地面に無事、着地した。 「ここからは助っ人するぜ。」 「頑張るよ。」 「すまないな。どうやら、俺はかなり嫌われているらしい。」 「折原様、あまり気を落とさないでください。」 顔は合わせていないものの会話は成立していた。地面に落とされ、未だに立ち上がらない祐一を油断無く見ていた。 急に立ち上がる祐一。向かう先は名雪だった。考えていないという感じに名雪に特攻を仕掛ける。 それは無謀と言ってもしょうがないほどの無防備かつ、驚いた名雪の足が出てもしょうがないのではと思うくらいの速度だった。 ごきゃ。 「きゃぁ!」 驚いた名雪は条件反射で、祐一に蹴りを入れていた。もちろん、風の纏っているその足で、だ。 名雪に蹴られた祐一はその反動で真琴側の炎の壁に近づいていた。身を捻り、体の正面を炎の壁に向ける。 その勢いで炎の壁を突き破ろうとしていた。祐一以外の人物は呆気に取られたようにそれを為すがままに見ている。 「何をボーっとしているのです!イン・ダ・スティッチ!」 観鈴につかまって空から飛び降りた美汐は地面に着地するのと同時に幸大の頭をぽかりと殴る。 幸大は思い出したように、美汐のやりたい事が分かり、それを行動に移した。 美汐の手のひらに貼り付けられて付箋。そこから空間の裂け目が現る。その裂け目に槍を持った兵が全て入り込んだ。 「アウト・ダ・スティッチ!」 祐一の翼に貼り付けられた美汐の付箋。見るも無残な翼を抉りながら出来た空間の裂け目。そこから槍は地面に突き刺さった。 その数は一本ではない。4本の槍が炎の壁を貫通させてはなるものかと言う意志の現れのようだった。 炎の壁直前で急速な減速となり祐一は座り込むようにその場に縫い付けられた。 しかし、それで止まる祐一じゃない。炎の壁が途切れていてかつ、浩平がいない方向に走り出した。 つまりは、誘導している方向に走り出した事になる。その場にいるメンバーはそれを見て追おうとはしなかった。 その先に信頼できる人がいる事を知っているからだ。その人は既に祐一の目にも捉えられているだろう。 祐一の目の先には留美がいる。さらにそのかなり先には、後ろを見せた佐祐理がいる。その二人が詠唱をしていた。 炎の壁は留美の少し先に行った所で途切れている。その先の佐祐理まではかなり距離があった。 「戦いをするたびに、胸が震える。強者(とも)と剣を合わせる度に胸が震える。この震えは何処から来るのか。」 「全機能開放、平行して攻撃タイプ4、起動。目標設定開始、目標、分類0番に設定。タイプ4起動完了。目標捕捉開始。」 「心地の良い、胸の震えを求めよ、ならば与えられん。それは喜びと共に。ウェイブロック。」 「機能開放率7割を突破。カウント開始。目標への距離、方角、角度、修正開始。全機能開放完了。修正及び捕捉完了。」 先に動いたのはもちろん祐一に近い留美だ。正面から祐一に向かって殴りかかっていた。 もちろんそのまま、殴られる祐一ではない。留美の勢いを逸らし横に逃げさせる。そのまま突っ切ろうとする祐一。 祐一の背中側に回りこめた留美はうまく行った事に微笑んだ。 「フルオープン。」 腰の鞘から一気に刀を抜く。祐一がそれに気がついた仕草を見せたときには既に遅かった。 刀を振る動作から、祐一の無防備な姿勢の無防備な箇所にその衝撃波が奔る。 どごぉん。そんな音を立てながら翼の使えない祐一はそのまま宙を放物線を描きながら飛んでいく。 それはまるで測ったように佐祐理の目の前に落とされた。佐祐理までの距離をちゃんと計算していたようだった。 「システム・レイ!!」 無数の眩い光の線をまるで自分の意志を持ったかのように操る佐祐理。全方位から祐一を襲っていく。 祐一の目を暗闇に慣らさないためにわざわざ可視の光をレーザーとして放っていた。 その場に縫いつけるためではないが、なかなかその場から誘導する場所には動いてくれない。 佐祐理が集中力を高めたときには隣に留美が来ていた。光は祐一の体にかする事はあるが、命中する事は無かった。 それに誘導され始めたのか、徐々に目標に向かって動き始めた。その先に待ち構えているのは一弥と瑞佳だ。 「すごいわね……あんな数を当てもしないで相手を誘導しているなんて……」 「いえ、すごいのは祐一さんです……」 「え?どうしてなのかしら?」 「佐祐理は全てを当てるつもりで放っているんですよ。手加減なんて一切していません。」 「それって……」 「ここまで綺麗に避けられるとこっちの自信が砕けてしまいそうです……」 渾身の光をまるで踊るように避け続ける祐一を見て佐祐理はため息をつかずにはいられなかった。
技説明 灼熱炎壁:真琴の炎を壁状にして繰り出したもの。今回は炎の温度を下げて大きな壁を形成させた。 フレア・ジャベリン:香里の得意技。詠唱の最後の部分を変える事で形状を変えることが出来る。今回は壁状で打ち出した。 システム・レイ:佐祐理の最大級の技。内容はカウント・ゼロの命中・誘導・威力の3ランク上に昇華したもの。 ウェイブロック:衝撃波をストックするための詠唱です。今回は一回に全ての力を注ぎ込みました。 開放させるためのキーワードがオープン。頭に何かをつけることで威力の調整が出来る。 状況説明 何故、祐一が浩平から逃げるのか。 単純に言うと、浩平の精霊が有名すぎるからです。精霊の間にも噂とか知名度があり、悪名とかそんなものが 噂になったりしています。ただ、大地ではそんなに流行りませんが、精霊界では日常茶飯事なんです。変な噂が流れるのは。 その中に、『永遠の精霊は怖い。何故かって?それは永遠にその場に留まろうとするからさ。時も、場所もずっと その場に留まり続けるって事は、死んでるのと殺されるのと変らないじゃないか。』というのが有ったんです。 それを嫌と言うほど脅かされた、幼い祐一君は無意識にそれを怖がっていると言うわけです。
あとがき 祐一君の捕獲作戦の始まりです。何と言いますか、キャラが多く居すぎて把握するのも一苦労です。 書いていて、実力が無いんだなぁって痛感する箇所でした。まだ、後一話位がこの人数ですから…… ともかく、精霊と人の詩の第二十四話をお送りしました。ともかく迷走しています。ゆーろでした。
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