精霊と人の詩。

第二十一話  相沢の名前とその意味。〜壮絶〜  
祐治達は外に出て唖然とする。見渡す限りの魔物の屍骸。こんな光景はいまだかつて見たことが無い。 「あ、あの人です。姉さん。気をつけてください。祐一さんは多分8年前にいます。」 魔物の屍骸によって出来た山。その山の上に白い仮面をつけた青年はいた。まるで誰かを待っているかのように静かに佇んでいる。 仮面の下の表情は読み取れない。その目は何を見て、何を映しているのかすら解らない。 姿は、全身に白と基調とし所々に金の装飾の入った鎧をつけ、背中に3対6枚の大きな羽を生やしている。 「おいおい、あれが祐一か?」 「えらく、大きくなったわね。」 「え?あれが?祐一君?」 「やっぱり、それが普通の反応よね。」 秋子以外はいまだにあの羽を生やした青年が祐一とは信じれない。しかし持っている雰囲気は祐一のそれである。 だから、相沢夫婦の顔つきは厳しい。口では信じていないふうに言っているが、本気ではない。 「もしかすると、戦うことになる。3人はここで待っていてくれ。これが精一杯の妥協だ。」 「大丈夫よ。戦うことになったら、援護してもらうから。だから適度に距離をとっておきたいのよ。」 「わかりました。気をつけてください。」 秋子達はそのままその場に残り、夫妻はその青年の近くまで歩いていく。 「……いけない。寝ちゃった。」 顔を上げて辺りを見回す。そこには、彼の見知った顔の人がいた。 「母さん。それに父さん。」 「祐ちゃんなの?」 「うん。」 有夏の問いかけに、しっかりとした口調で答える青年。ただ、その仮面のせいで本当に祐一なのかわからない。 声と雰囲気は祐一である。家族だけがわかる感覚でも祐一だとわかる。でもそれ以外の何かがあった。 「ねぇ、母さん、父さん。祐夏はどこに居るの?」 邪気の無い、質問。有夏も祐治もどう答えていいものか困ってしまう。下手な答えを言うわけにはいかない。 二人は何故秋子が8年前に祐一がいるといったのかが判った。何かのショックで祐一は有夏が生きていた時代にいる。 もし、ここに居るといえば、祐夏をつれてこなければならない。それは無理だ。居ないと言えばどうなるか、祐治には分からない。 祐治のそんな葛藤を他所に有夏はそのまま祐一に向き合って、きっぱりと言った。 「もう、祐夏はいないわ。」 「母さん?それってどういう事?」 純粋に解らないという声。有夏は身を引き裂かれる思いで、祐一に言い続ける。 悲しみに混じった声。その声の内容は軽く言えるものではないという事が解る。普通ならば。 「祐夏なら8年前に死んだわ。祐ちゃんも一緒になって埋葬したじゃない。」 「……嘘だ。嘘だ!嘘だ!!」 「嘘じゃないわ!ちゃんと聞きなさい!祐一!」 聞き分けの無い子供を叱る様に有夏は声を張り上げる。祐一は身を抱えて震えだす。その震えは何もかもを拒否するようだった。 涙をぽろぽろ出しながら、祐一に訴え続ける有夏。祐一はそれに耳を傾けているのかすら解らない。 祐一の長い沈黙のあと、祐一がポツリと否定の言葉を呟いた。 「……偽者だ……祐夏は生きてるもん。目の前に居るのは母さんの偽者だ……」 「……祐ちゃん?」 有夏が祐一に手を伸ばしたとたん。バチン!と何かかが有夏の手を弾いた。 呆然と祐一を見る有夏、その仮面の下の感情は読み取れない。 「……僕に触るな母さんの偽者……」 「祐ちゃん!」 鋭い殺気が祐一から、放たれる。有夏は弾かれた手を引っ込めた。 今まで黙って、祐一を観察していた祐治。どうやら仮面に原因があるようだと見当を付けた。 再び、前に出ようとする有夏を祐治は押しとどめた。そして耳打ちをする。 「あの仮面がどうやら原因みたいだ。有夏はティアマットを呼んでくれ。俺が時間を稼ぐ。」 「でも!」 「落ち着け。今の祐一に何を言っても無駄だ。」 「……解ったわ。油断したらかなり痛い目にあうわよ。」 「それは俺が一番、解ってるよ。なにせ、あいつの父親だ。」 祐治が有夏を庇うように前に出た。有夏はそのまま、秋子達の元へ走って後退する。 「祐一。お前は何もかも忘れたのか?」 「……お父さんも偽者なんだね。そんな事を言って僕を惑わそうとする。」 祐治は腰に差してある剣に手を伸ばした。それを見ても祐一は何もしない。そのまま、その場にたたずんだままだ。 まばたきをすれば、剣を抜いたという事すらわからないだろう祐治最速の抜刀術。 祐一はその剣を難なく、腕についている白い篭手が爪状に変形した物で受け止めている。 「やっぱり偽者だ。お父さんの剣筋には似てるけど、速度が圧倒的に違う。」 (それはお前の今の状態が異常なんだよ!) 「遅い。お父さんはもっと早いもん。」 (だから!お前が異常なんだっつーの!気が付けこの!) あっさりとした祐一の反応に、思わず心の中で毒づいてしまう祐治だった。 祐一に撃ちつける打ち付ける剣が軋み始めた。それでも祐一は反撃には出ようとしない。 苛烈な剣。人間が相手ならばよほどの相手で無い限り、祐治と対等な戦いを行なう事は出来ないであろう。 祐治は絶対的な悪寒に囚われる。圧倒的な拙い予感。神経の全てを集中させて祐一の動きに気を配る。 ふと祐一が動いた。強烈な右手、祐治はそれを身を引くことで何とか回避する。 しかし、祐一の爪状の篭手に祐治の身に着けいている鎧の胸当て部分は紙のように引き裂かれた。 右肩の肩当から始まる大きな傷。胸当てには袈裟斬りをされたように斜めに四本に斬り分けられている。 祐治の体に傷が無いのが奇跡だったような感じだ。右の肩当がぐらぐらと安定をなくし、鎧だって辛うじて体についている感じだった。 (かすっただけでこの威力かよ!鎧が紙切れ位にしか役に立たない!) 声を出している暇も無い。次に控えているのは祐一の左手。カランと言い、祐治の右の肩当が地面に落ちる。 だが、祐治にはその音が聞こえていない。そんな音に意識を裂けるほどの余裕が絶対的に足りていない。 無理やり身を捻り、体を方向転換させる。その瞬間の後に祐治の居た空間の後に祐一の左腕が通り抜ける。 掠ってもいない、しかしそれは祐治の左肩の肩当を奪い取っていく。肩当が何処かへ飛んでいく。 (見た事がある。この動きは神無の奴の動きだ。となると次は右の回し蹴り、狙いは上半身!) どこか遠くで肩当が落ちる音がする。間を置いてから祐治の方から血が滴り落ちた。 無理やり体を捻って方向転換をさせた動きから、勢いをつけて回転。祐一の速度からしても間に合うと踏んで渾身の一撃を、 来るであろう蹴りに合わせて叩き込む。祐一も左手の突きから身を捻って回転。祐治の予測通りの一撃を繰り出した。 ゴキゃン。どさぁ。 祐治の剣が砕け散った。剣は折れたのではなく、打ち付けたところが砕かれていた。 剣が砕け散ったおかげで、祐治の体勢が前のめりになった。手をついて転んだように前に転がる。 剣を砕かれたときの衝撃は殆ど無い。まるでその剣がそこには存在しないのに斬り付けたような感じだった。 そんな祐治の後頭部の上を祐一の蹴りが通り過ぎていった。祐治はそのまま転がっていき祐一に振り向いた。 (生きた心地がしない。祐一、お前はお父さんより強くなったんだな……) それとなく、現実逃避をしている父親。その後ろから声がする。現実逃避をしていても祐治は祐一から意識を一度も外さない。 祐治の顔の横を水の矢が飛んでいった。祐一はそれを難なく打ち落とす。水が弾け散り、地面にぽたぽたと落ちた。 祐治はそのまま大きく後退する。秋子と冬葵、美晴が祐治の前に立った。 「すまない。祐一は俺じゃあ止められない。」 「大丈夫です。私達でどうにかしてみます。姉さんの近くで休んでいてください。」 「あぁ、でも良いか、絶対に死ぬんじゃないぞ。そんな事されたら、俺も祐一も辛い思いをするからな。」 「うぐぅ?大丈夫。僕たち『四季』だよ?4人揃えば怖いもの無しって感じかな?」 「美晴。気を引き締めなさい。そんな事、言ってられる相手じゃないわよ。何とか有夏の召喚完了まで時間を稼がないと。」 秋子と冬葵が前に出て、美晴がその後ろで構える。祐治はそのまま後ろまで引き下がって有夏の近くまでいった。 祐一は仮面で表情こそ見えないが、その表情は困惑しているだろうということだけは解る。 祐治と対峙していたときよりも発している気配が柔らかくなっていた。 「お姉さんたちは誰?何で僕の前に立つの?」 「お姉さん、だって。うれしいなぁ。」 美晴の能天気な一言。美晴の顔に雪球が二つ当たった。投げたのはもちろん秋子と冬葵。もちろん、祐一に対峙したままで。 美晴に雪球を当てている二人だが、内心は満更でもなかったみたいで、その威力は弱かった。 「祐一さん。思い出してください。私たちの事を本気で忘れてますか?」 「………僕は、知らない。それに邪魔しないで。祐夏を探すだけだもん。」 「……祐一さん。」 「邪魔をするんだったら、お姉さん達も容赦しないよ。」 祐一の放つ気配がきつい物に取って代わる。話し合いはこれでお終い。そんな合図だったのかもしれない。 冬葵が、秋子の前に立つ。一列に並んだ形だ。冬葵がサイドポケットに手を突っ込んで、祐一に向き合う。 秋子と美晴は詠唱を始めた。詠唱が始まった事が判ると祐一はまずは冬葵に近づいた。 冬葵はナイフを両方のサイドポケットから取り出す。両手にはそれぞれ3本の投擲用のナイフが握られている。 指と指の間に挟むように片手に3本。そのナイフには鍔がついていない。刃と柄だけで構成されていた。 「ナイフ・インパクト!」 祐一を近づけまいと、冬葵がナイフを加速して祐一に投擲する。キュンという音の後に6本のナイフは祐一に向かって飛んでいく。 祐一はその場で前進するのをやめてナイフを迎え撃つようにするようだ。祐一は冬葵にしっかりと視線を固定した。 体に突き刺さるはずの4本のナイフ。それは祐一の手で全て打ち落とされていたが、残りの2本は対応が出来なかった。 右肩の鎧に1本と左の羽に1本。それぞれに突き刺さっている。祐一はなんでもないかのように鎧からナイフを抜き取って地面に投げる。 右肩の肩当に入った傷は見る見るうちに、塞がっていく。羽に刺さったナイフはそのままだ。 その間にも冬葵は次の投擲の準備に入っていた。さっきは全て同時に投げたが、今回は微妙に的をばらして投げる。 「ナイフ・インパクト!」 キキキュン。キキキュン。先ほどと同じ本数の6本。先ほどの投擲から殆ど間の無い投擲だった。 祐一は一々肩に刺さっていたナイフを抜いていたために動作が遅れる。迎え撃つのには隙が大きすぎた。 今回は3本。祐一の体に当たる。しかしそれは全て鎧の上だ。しかも鎧を突き抜けている感じは無い。 加えて顔の仮面を狙った2本はしっかりと叩き落されている。次の投擲のためにサイドポケットにもう再度、手を入れる。 ふと、冬葵の足元から霧が祐一のほうに向かって伸びていく。もう一度ナイフを投擲するためにナイフを取り出す。 舌打ちをする冬葵。次の投擲で、ナイフを全て投げてしまうと分かってしまったからだ。 その冬葵の目の前で霧は徐々に人の形をとり始める。それは大きな人間、巨人だ。 「ナイフ・インパクト!」 「我が命に従いて、行きなさい!ミスト・オブ・ブロッケン!」 祐一に今度はナイフを全て叩き落された。しかし秋子の霧の巨人の手が祐一を後ろに大きく吹き飛ばす。 吹き飛ばされた祐一は空中で回転してから、羽をはばたかせてゆっくりと地面に降りた。ダメージは見られない。 冬葵は苦い顔をして、秋子に声をかける。秋子は冬葵の後頭部を見ていた。 「弾切れよ。秋子。距離をとるのはもう無理。」 「それでは私のブロッケンが前衛をしましょう。」 「美晴はまだなの?」 「あと少しです。」 祐一が歩いて近づいてくる。霧の巨人がその前に立ちふさがった。 相変わらず、仮面の為に祐一が何を考えているかわからない。多分、いらついているのだろうと見当をつける。 霧の巨人は斬られても、殴られてもダメージを受けない。体を構成しているものが霧だからだ。 ゴーレム系の敵と違って核という物も存在しない。秋子の魔力が切れるまで、魔力を打ち切るまで存在し続ける。 その巨人を打ち倒すには水分を無くすくらいの熱量が必要になる。全ての霧を水蒸気にし、その水蒸気すら蒸発させる。 そうしないと巨人は打ち倒せない。しかしそんな事は人間には不可能だ。なら魔力の供給元である秋子を倒す方が早い。 しかし、それも巨人が居るためにそれもうまくいかない。通り抜けようとするときは実体を持ってそれを阻止するからだ。 「かわいそうな巨人さん♪そのはらわたが飛び散った♪」 不気味な歌詞に不気味な調子。その歌詞の通りにブロッケンのお腹の辺りが爆散した。 それはただ単に祐一が腕を叩きつけただけであるが、その威力が半端ではない。構成しているものが霧でなかったら、 再生するのに時間がかかったであろう。すぐに霧は元に戻るが、その威力に秋子は驚愕していた。 「準備完了!!冬葵さん!踊って!」 「解ったわ!」 「いくよ〜!英雄の唄!」 美晴の力強い旋律、優しい歌声。それが秋子と冬葵の耳に届く。不思議と力が湧いてくる。 冬葵が腰から剣を抜く。秋子は巨人の動きを制御するために意識をそれに集中させた。 「私から仕掛けます!冬葵さん!援護を!」 巨人には思えない素早い動きを見せるブロッケン。その腕が祐一の体を捉えた。巨人の頭部を犠牲として。 殴り飛ばされた衝撃でまたも空中に放り出される祐一。巨人は頭を破壊されていた。すぐに再生に取り掛かる。 巨人の肩を踏み台にして冬葵が祐一に追撃する。冬葵の剣を祐一は爪状の篭手で受け止めた。 きィィィィィ、高い音を発し、振動している冬葵の剣。それが、祐一の篭手を切断する。 空中にいる祐一は羽で向きを変えて、篭手が切断されきる前に冬葵から逃げた。落下する冬葵。それを巨人が優しく受け止めた。 祐一は再度地面に降り立った。何かを口ずさんでいるが、それが何かわからない。その姿が糸を引いたようになる。 その瞬間に、またもブロッケンの腹部が爆散する。今度は先ほどよりも飛び散った範囲が広い。 ブロッケンのお腹には先ほどよりもかなり大きな穴があいている。冬葵がすぐに反応して仮面に剣撃を入れようとする。 が、足に何か絡み付いていて、動く事が出来ない。冬葵はすぐさまそれを切り離した。何かは祐一から落ちた羽だった。 「決定打がありませんね。」 「えぇ、そうね。それよりもあの鎧は生きているのかしら?」 祐一が着ている真っ白の鎧。その鎧の篭手の爪の部分は先ほど冬葵が大きな切れ込みを入れたはずだ。しかし今はそれが無い。 二人が悩んでいる時間はあまり有ってはならない。何故なら、目の前に祐一がいるから。 ブロッケンが頑張って祐一に襲い掛かっているが、そのつど、体のどこかを失っている。 「困りましたね……」 「このままじゃジリ貧ね。」 「あれをするしかありませんか……」 「しょうがないわね……頼んだわ秋子。」 秋子がそのまま詠唱に入った。冬葵はしょうがなく、剣を構えて祐一に向き合う。 美晴は唄を歌い続けている為に会話には参加できない。後ろからちょっと羨ましそうな視線を送っていた。 「この詩は好きではありませんが、しょうがありません。」 ブロッケンの動きの質が落ちる。それを援護するように冬葵が落ちているナイフ拾い、投げる。 今回のこの動きは詠唱のストックが切れているためだ。そのため、速度も威力も格段に落ちるが、足止めするには十分だった。 「水はただありのままにある。我はその水に手を加える者なり。加えるのは我が感情、我が意志。」 両手のひらを雪の上に降ろし、雪を水に変えていく秋子。足元に大量の水が現れる。 「我が意志は相手の命を奪うこと。加えるのは我が殺意。今、その殺意、意志を具現化する。」 両手をそろえて祐一に向ける。秋子の目の前には途轍もなく大きな水の塊がゆらゆらと揺れ動いている。 「この詩を詠う事で我は悲しむだろう。しかし我は後悔しない!ハイプレッシャー!」 冬葵が飛びのき、ブロッケンが祐一を固定する。秋子の目の前にあった水の塊が一斉に圧縮されていく。 それが一瞬の間にこぶし大の大きさになり、波紋を幾つも浮かべながら揺れている。 こぶし大の球はの一箇所がほつれ、そこから一筋の水の線が走った。ここまでに本当に僅かな時間しか、かかっていない。 水の線はその筋の通り道の下の地面に積もっている雪を舞い上げ、退かしながら祐一に向かって進んでいく。 祐一はブロッケンの束縛をどうにかして解いたときにはそれは既に目の前に来ていた。逃げる時間は無い。 6枚の翼と、自分の腕を自分の眉間の前にクロスさせてそれを迎えた。 ぶつかっては弾ける水飛沫。普通の人間ならばとっくに大穴ではないにしても穴が開いているだけの圧力をかけた水。 舞い上げられた粉雪が、辺りを一面真っ白にする。気がつけば秋子の横に冬葵が来ていた。 冬葵は秋子の顔色を見て戸惑っていた。秋子のあの技の破壊力は『四季』のメンバーが良く知っている。 有夏の完全召喚以外で、あの破壊力を出すのはなかなか居ない。その秋子の顔に余裕が無いのだ。 秋子も戸惑っている。自分の力がある一点から先に全く進まないのだ。自分最大の一撃。決して手加減はしていない。 しかも、今回は美晴の英雄の唄の影響下にある。一人で詠唱するよりも格段に威力に貫通力は高い。 後日、激しい筋肉痛に襲われると分かっても祐一の呪縛が解けるならば、それでも構わないと思っていた。 祐一の仮面に届いたと分かった瞬間にその能力を解除して、仮面のみを打ち砕く予定が、ここに来て全くずれてきている。 当たってはいるのだ。しかし、全く進まないどころか、有り得ない話だが押し返されている気さえする。 目の前に舞い上がっている粉雪を鬱陶しく感じる。この雪さえなければ、どうなっているのか分かるのに。 そんな、苛立ちに似た感情が秋子の顔に浮かんでいた。冬葵も美晴も、舞い上がる雪の先を見ている。 舞い上がった雪でその先がどんな事になっているか判らない。その場には水がぶつかって弾ける音しか聞こえなかった。
技説明 ナイフ・インパクト:冬葵の磁気による加速をナイフに集中し、高速で打ち出すという技。 今回は18本。全て北川潤の手によるもの。そのナイフの出来は冬葵的には結構良かった。 ミスト・オブ・ブロッケン:秋子の得意技のうちのひとつ。霧を巨人にして襲わせる。動きの制御は秋子がしている。 英雄の唄:美晴の技のうちの一つ。対象の人の勇気を奮い立たせる。その他にも武器を超振動させたり、 一時的に筋力や、魔力をアップさせる効果がある。ちなみに対象の人にしかその唄は聞こえない。 副作用として、唄を聞いた人は後日、激しい筋肉痛に襲われる事になる。 ハイプレッシャー:秋子の誇る最大の破壊力を持つ技。水瀬家に伝えられる詩で、秋子はこの詩が大嫌い。 水に凄まじい圧力をかけて、弾丸に見立ててそれを相手にぶち当てる。相手が人間ならば、当たった箇所に大穴が開く。 これは元々、対人用の技ではなく、対城砦用の技。城砦の一部を打ち砕くための技だが、 人を的にするときはより圧力を高めて、範囲を狭める。
あとがき まず初めに、祐一君最強です。祐一君最強主義者ですから。話は変わりますが、これから先の展開を考えているんです。 考えているというのは語弊ですけど、筋は固まっているのですが、なんだか強引だなぁって感じになっています。 ともかく、頑張って書いていきます。話がこじれるかもしれませんが、実力が無いのだと笑ってやってください。ゆーろでした。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送