第十三話 傷〜狼少女〜
部屋の中には一人の少女が扉を睨みつけている。扉を開けたのが祐一だったのでその目はより一層冷たいものになる。
明らかな異物を拒むような冷たい瞳。相手を拒絶するもしくは殺すと言う意思の込められた睨み方だった。
「…ウゥゥゥゥゥゥ!」
獣が他の存在に警告するように鋭い威嚇の声を上げている。祐一が一歩一歩近づくたびにそれがより一層強く、激しくなる。
「それ以上は駄目です!」
美汐が叫び声をあげたときには既に遅かった。祐一が部屋のある一線を越えていた、そして部屋の中に変化が現れた。
祐一の表皮が乾いてボロボロになっていく。美汐も真琴も幸大も圭一もその光景を見て何も言えなくなってしまった。
ただただ、その光景を見守るしか選択肢はない。今から入って行ったら、もっと酷い事になる事を経験で知っていたからである。
それは圭一が離れに入ったときである。そのときは、圭一以外にも被害が及んでひどい事になった。
あの状態になると、見境が無くなる。近づくもの全てに力を行使するようになってしまう。
「ガァ!」
少女の鋭く、敵意を込めた咆哮。しかしそれすらも、ボロボロになって乾いて崩れていく自分の体も無視して祐一は少女に近づいていく。
少女の傍らに着いた祐一は優しく彼女を抱きしめた。少女はそれから出ようと激しく抵抗をする。
爪で祐一の体のいたる所を引っかく。皮の殆どがボロボロになって脆くなっている。
軽く引っかいただけで簡単に血が出た。しかし、そこから出た血もそのまま砂になるように乾いていく。
少女は祐一の服の上から右肩に思いっきり歯を立てる。祐一はその行動について眉を顰めるが、そのまま抱きしめたままだ。
『我は、祝福の精霊なり。主の力を用いて、祝福と言う名の奇跡を紡ぐもの。』
少女の歯は祐一の服ごと右肩の肉を抉り取る。しかしそれにすら反応しないように祐一からはウィッシュの声が続く。
『主の名前は、相沢祐一。主の力と引き換えに、失われし、彼の者の体の自由を取り戻さん。』
優しいその声と共に、光が部屋を包み込む。その光景に誰もが、動きを止めた。そして抉られた肩からの血が乾くのをやめた。
『彼の者に祝福あれ。生命賛歌』
その声が終わったと同時に、肩からおびただしい量の血が出てくる。そんな傷を負っているにもかかわらず祐一は笑顔だ。
「もう大丈夫。怖がらなくて良いよ」
祐一は優しくそう呟いて、彼女の体をゆっくり解き放つ。そして部屋を出て行く為に後ろを振り向く。
祐一の血は止まる事は無く、飛鳥の服とベットのシーツ、離れの床におびただしい量の血が落ちた。
「ウぅ……」
少女はまだ弱い唸り声を上げている。それは自分の体に起こった変化に対して発しているようであり、祐一に発しているようでもあった。
祐一は血を部屋に落としながら扉のほうに戻っていく。それまでその光景を見ていた美汐が声を出した。
「真琴!お湯の準備を!幸大!出来るだけ多くの清潔な布と針と糸を持って来て!」
「うん!」
「分かりました!」
真琴と幸大がそのまま、元来た廊下を走って頼まれた物を取りに行く。
「圭一さん!血止めをします!手伝ってください!」
「あぁ!」
美汐が戻ってきて気を失って倒れかかっている祐一を抱きとめ、右肩の傷口を押さえつける。
圭一が着ていた上着を脱いで、傷よりの心臓に近い場所をきつ目に縛る。
その時、真琴が鍋に水を一杯に張って廊下に戻ってきた。
そして、圭一に見えないように尻尾の一本を出し、詠唱無しで火を水の中に起こし水を熱湯に変える。
タイミングを計ったように幸大も大量の布と、針と糸を持って戻ってきた。
「真琴!針と糸を熱で殺菌して!幸大!布を鍋の中へ!」
幸大から真琴は針と糸を受け取り、熱消毒にかかる。幸大は布を鍋の中に放り込んでいく。
圭一は時間を見て放り込んだ鍋から一番最初に入れた布を取り出し、固く絞って美汐に渡す。
美汐はそれで傷口の周りを綺麗にふき取っていく。血は傷口近くを縛ったおかげであまり出ていない。
「美汐、はい!」
血で真っ赤になった布を放り捨て、消毒の終わった針と糸を受け取る。それを用いて傷口を縫っていく。
「圭一さんは火傷しないように気をつけて、布を固く絞ってから祐一さんの体を拭いてください。」
特にひどい肩の傷口に目が行ってしまうが、皮膚はボロボロでそこら彼処に小さな傷を作っている。
「幸大と真琴は、飛鳥さんの様子を見てきてください。祐一さんはこっちで何とかしますから。」
「わかったわよぅ」
「承知です〜。」
二人は、扉を開けて飛鳥の様子を見に行く。
美汐は肩の傷を縫い終わってから、鍋から布を取り出して固く絞ってその傷の上に巻いていく。
圭一は鍋から取り出した布を固く絞ってやはり他の部分を拭いていく。
「肩の傷以外はそう酷い事にはなっていないが、新しい皮膚が出来るまで痛いだろうね。」
圭一は左手の包帯が、風化していない事を不思議に思った。美汐は右肩の事で精一杯でそれには気がついていない。
「肩の傷は一回ちゃんとした所に見せないといけませんね。」
しかし、美汐の呟きにそれは圭一の意識の外に追いやられた。
「とりあえずの応急処置はおしまいか。」
肩以外の傷は全て血が止まった事を確認した、圭一はそう呟いた。
「では客間に運びましょう。そこで乾いた布を巻いて、応急処置はおしまいです。」
美汐は辺りに散らばっている血の付いた布と拾っていく。全てを鍋に放り込んで、祐一を持つように圭一を促した。
圭一は美汐に促されて、祐一を抱きかかえる。その小さな体に圭一は驚いていた。
(こんな小さい体なのに、何故あんな事が出来るのだろうか?しかも殆ど赤の他人に。)
圭一と美汐は祐一を客間に運び、そこで新しい布を調達してきてそれを祐一に巻いた。
一方、飛鳥の様子を見に来た真琴と幸大は驚いていた。何せ、今まで立つ事すら出来なかった飛鳥が立って歩いている。
「ぅ?」
いきなり入ってきた二人に飛鳥は少し驚いている。いつもの入って来る時間ではないからだ。
「大丈夫?何か変な所は無い?」
真琴が飛鳥に近寄り、優しく声をかける。
「うぅ。」
それに対して、飛鳥は肯定の意味であろう声を返した。その顔は真琴と幸大のみに見せる安らかな表情だった。
幸大は部屋に落ちている血の跡と、風化させられた皮膚の掃除を始めた。さっきまで持っていた布を取り出して床を拭いていく。
真琴は、それの邪魔にならないように部屋の隅に行って、飛鳥の体に異常が無いか確かめ始めた。
これは二人に出来た暗黙の了解で、飛鳥本人に関する世話は真琴が、それ以外の部屋などの世話は幸大が受け持つようになっている。
真琴は飛鳥の体の変化を確かめ終わった。そして、祐一の血がついた服を新しいものに着替えさせる。
幸大は血で染まったシーツを取り替えて掃除を終えた。シーツを持っている幸大に血に染まった服を渡す。
幸大はいったんそのまま部屋を出て、それらを洗濯する場所にまで運んで置いてくる。
戻ってきてから、二人は部屋から飛鳥が出たがらない事を確認してから、念のため扉に鍵をかける。二人は離れを後にした。
廊下に出て、二人は途方にくれた。何せ祐一達が居なくなっているからだ。
「美汐様たちはどちらに行かれたのでしょう?」
「そんな事分からないわよぅ!何でさっき出たときに探さなかったの!」
真琴は、美汐達に置いていかれてご機嫌が斜めだった。
「そ、それは、そこまで気が回らなかったんですよ……それでは、一番近くの部屋から覗いて行きましょう。」
幸大はそれに対して、気楽だった。
場面は美汐と圭一に戻る。圭一は自分の上着を祐一から外して、また着込んでいる。
「しかし、祐兄さんも無茶をしてくれます。」
「まったくだ。私もあんな無茶をする人だとは思わなかった。」
「ある意味、昔のままなのですけどね。」
穏やかな顔を作る美汐。そこに、真琴と幸大が入ってきた。
「美汐様、ここに居たんですね〜。真琴様、一番近くの部屋でよかったですね!」
「何で、真琴を置いていったのよぅ。」
真琴は、幸大を無視して美汐に話しかけた。嬉しそうだった幸大は一転、部屋の隅で「の」の字を書き始める。
「すいません、真琴。また祐兄さんが無茶をしないように離れから遠ざけておく必要があったのです。」
「あぅ。ならしょうがないわね。」
美汐の説明と自分の目で見てしまった祐一の無茶に、納得してしまう真琴であった。
「ところで、飛鳥に何か変化は有ったのかい?」
部屋に直接入れない圭一が真琴に質問を投げかけた。
幸大も「の」の字を書くのをやめて会話に参加する。誰も彼の行動に突っ込みを入れることはなかった。
ちなみに、圭一は部屋に入ったとたん飛鳥の風化の能力が行使される。美汐だってある一定のラインを超えると行使される。
「驚きますよ〜!」
「飛鳥の体には何も異常はなくなっていたわよ。美汐、これってどういうこと?」
「「…………はぁ?」」
かなりの間が空いて、二人は声を出した。幸大は相手にされないので寂しそうだ。
「ちょっと落ち着こうか。異常は無いと言う事は、変化は無いという事なんだね?」
「違うわよ!歩いてたんだから飛鳥が!」
「わわ、真琴様〜。落ち着きましょうよ〜〜」
熱くなった真琴に対して、幸大は冷却を試みる。そのために、真琴に睨まれてしまった。
「それでは、足の腱とかはちゃんとつながっているという事ですね?」
「そうなのよ。美汐これってやっぱり祐一がやったのかな?」
「それしか考えられないな。」
皆が祐一の小さな体を見ている。しかしそれで答えが出てくるわけではなかった。
「祐兄さんを起こさないと話が進みませんね。」
「しかし、無理やり起こして良いものか……」
一見、子供のミイラ男だが安らかな寝息を立てている祐一を起こすのは躊躇われた。
「気を失うほどの力を行使した結果か……彼は何故そんな事を平気で出来るのだろう?」
圭一が、先ほどまで思っていた疑問を口に出してしまった。
「それは祐一だからよ!何も考えてないだけなんだから!」
「真琴様〜、それは酷いと思いますよ〜。」
天野三姉妹の下の二人の反応はそんな感じで、長女の美汐は沈黙でそれに答えた。
「すまない。つまらない事を聞いた。それにしても、どうしようか。」
「今日のところは、お開きにしましょうか。祐兄さんのことです。放っておいても勝手に明日もまた来るでしょう。」
「祐一はどうするの?美汐。」
ここで四人は顔を見合わせた。
「祐一さんの家を知っている人は……居ませんね。」
「ちょっと待ってくれ。今、調べるから。」
圭一は、鞄から一冊の本を取り出し、右手を添える。右手に紋様と黄色の光が溢れた。
「よし。調査完了だ。」
おもむろに、その本をめくると町の地図が写っている。その一角に大きな丸が付いている。
「そこが、祐一さんの家なんですね?」
「間違いない。」
その地図が浮かんでいるページを綺麗に破いてそれを取り出す。
「あぅ、ところで誰が運ぶの?」
また、四人は顔を見合わせた。怪我をさせてしまっては、言い訳が出来ない。
渡す相手は、あの相沢有夏だろう。美汐はその怖さを知っていたし、他の三人は風の噂でなんとなくそれを知っていた。
顔を見合わせてから、大分経つ。誰だって怒られるのは嫌だった。
「幸大。あなたの能力で運べないですか?」
「え!?ぼ、僕のですか?運ぶだけなら問題はないと思いますが、言い訳はできませんよぉ〜。」
「手紙は駄目なの?」
真琴の言った言葉に、圭一が頷いた。
「私が手紙を書きましょう。石橋先生からも連絡が行っていると思いますからね。足りない所は祐一君が説明してくれるでしょう。」
なんだか、かなりいい加減な事だが、満場一致で可決された。
「それでは、何で運んだほうが良いでしょう?歩だと遅すぎますし、飛車か角でしょうか?」
美汐が地図を見ながらそれに答える。
「商店街を経由してますから、飛車と角は拙いですね。なにせ、馬が付いてきますから。」
「桂馬か、香車でしょうか?」
「桂馬ですね。香車は目立ちすぎますから。」
「じゃあ、桂馬を呼びますよ〜」
桂馬の駒をポケットから取り出して、魔力を込める。すると、全身黒ずくめの男らしき者が現れた。
「それでは、祐一様をこの場所まで運んでください。」
「手紙はこれで良いでしょう。」
手紙を書き終えた圭一が、さっきの地図で説明していた幸大に手紙を渡す。それと地図を桂馬に渡す。
「祐一様をその場所に運んだら、その家の人に手紙を渡して、帰ってきてくださいね。」
男は黙って頷くと、祐一を背負って外に出た。
「では私も失礼する。飛鳥をよろしく頼みます。」
圭一も挨拶をして、天野家を後にする。
「それにしても、祐兄さんは人の言う事はちっとも聞いてくれませんね……」
圭一が居なくなった事で、美汐は身内にしか見せない黒いオーラを発している。真琴はそれに引き、幸大はそれに気がついていない。
「指示する前に、行動を起こしてましたしね。『指示はされてないから僕は悪くない』とか言うんじゃないですか〜?」
気がつかないで、話しかけた幸大。ぴくんと、美汐の眉が跳ねたかと思うと、幸大に詰め寄った。
「そういえば、まだ、祐兄さんのことを知っていた事について釈明の機会を与えてませんでしたね……」
「ぇ、え?」
矛先が幸大に向いたのを確認してから、真琴がその会話に乗った。
「そうよぅ!まだ聞いてないんだからね!」
「ええ〜〜〜!どうしてですかぁ〜〜?」
もう半べそで、退路を探す。しかし無常な声がその淡い希望を断ち切った。
「フフ、私が逃がすと思っているのですか?」
「逃がさないんだからね。」
既に退路は、怒った顔の真琴と目の笑っていない笑い顔の美汐の手によって塞がれている。強行突破しようものならば、命に関わる。
それは経験でそれを知っていた。証拠に退路には美汐の使う付箋が既に貼り付けてあった。
「ま、真琴様!そういえば、九尾狐様は総眷属の仕事に就かれたんですね!」
話を変えるために、幸大は他の事で有耶無耶になるように頑張る。しかし、
「なによ?!それ!真琴が知らないのに、何で、幸大が知っているのよぅ!」
結局、話題を間違えたようだ。特に真琴に対して油を注いでしまった。
「それに関しても、ついきゅーするんだから!」
「私もそれは知りたいですね。」
その夜、天野家には次男のすすり泣く声が聞こえたという。それはまた別のお話し。
天野家の次男がすすり泣いている頃、祐一はというと幸せそうに自分の部屋のベットで寝ていた。
右肩の傷に対してちゃんとした処置が施され、ミイラ男ではない状態で寝ている。
夕方に、全身黒ずくめの忍者みたいな無口な男が、子供のミイラ男と紙を有夏に手渡して消えてから相沢、水瀬家は
有夏一人が大騒ぎだった。それを祐治が止めている間に秋子が右肩の傷の処置を済ませていた。
何故、大騒ぎだったかと言うと、石橋先生からの連絡がまだ来ていなく、息子が怪我をして帰ってきたからである。
その後に、説明の為に寄った石橋先生は肝を潰して驚いたと言う。石橋先生が急いで事情を説明し、玄関に落ちていた
圭一の手紙も手伝って、ようやく有夏が落ち着いたのは日が変わってからだった。
もちろん、名雪は有夏が騒いでも寝てしまったし、祐治は一人疲れていて、秋子はいつも通りだった。
今思うと、ミイラ男の状態でもちゃんと祐一と識別した有夏もすごいが、布を外して右肩の傷に対して完璧な処置をした秋子もすごい。
後で起こる、母親の説教のことを知らずに幸せそうに祐一は寝ている。
有夏にしても秋子にしても無理やり起こして説教する趣味はないらしい。
祐一がまた説教されたのは、また別のお話し。こんな事があって、祐一は飛鳥のところに通うようになった。
祐一が、飛鳥の元に通うようになって、二週間がたった。
初めは祐一を嫌がった飛鳥だったが、祐一に害が無いと知ると、近づいても能力を行使しなくなった。
その状態から、祐一は真琴と幸大と同じ状態にまでなっていた。美汐も近づくだけならば能力は行使されなくなった。
ただし嫌な顔はされるが。まだ美汐はましで、圭一は顔を見た瞬間にもう力を行使されてしまう。
圭一はひどく嫌われたものだと呟くが、それでも妹の見舞いにはちょくちょく来ていた。
祐一と美汐が飛鳥に近づけるようになってから少し経ったある休日の事。圭一はこの場には居ない。
自警団の仕事の為に学院に赴いている。いつもの天野家に祐一と美汐の組み合わせで離れに向かって歩いていた。
途中で真琴と幸大が眉間にしわを寄せて唸っていた。それを見た、祐一と美汐は何故そんな顔をしているかわからなかった。
「どうしたのですか?真琴に幸大」
「あ、美汐様ぁ〜。」
「あぅ〜。」
二人揃って情けない声を上げた。なにやら悩みがあるらしい。
「飛鳥のことですか?」
「「うん(はい)、そうなんの(ですよぉ〜)」」
「外に連れ出したいとか、かな?」
祐一の言葉に、真琴が不機嫌そうに祐一を睨んだ。幸大は嬉しそうである。尻尾が有れば、ちぎれるほどに振っている事だろう。
「何で考えている事が解るのよう!」
「真琴、幸大、それは一体どういう事なんですか?」
「いえ、もうそろそろ飛鳥様を外へ連れて出ても良いかなぁって思ったんですよ。」
美汐は意外な提案に、顔に困惑の色を浮かべた。
「外に出るなら人の居ない所を選ばないといけないね。それも魔物も居ない所で。」
美汐が困惑している時に、祐一はそう言った。美汐は頭の中の処理が追いつかずに固まった。
「あぅ。良い所が思い浮かばないわよ」
「そうですねぇ……」
「それなら、ものみの丘が良いんじゃない?」
祐一は美汐達に向かってそういった。美汐は固まったままである。
「ちょ、ちょっと、待ってください。」
美汐は慌てて話をさえぎった。いくらなんでも、美汐を無視したまま話が進んでいた。
「話しが跳躍しすぎです!」
「そんな事ありませんよぉ〜」
幸大がまず、申し訳無さそうに声を上げる。
「飛鳥は外の事が気になるみたいなの。しきりに窓の外を見てるのよ。」
続いて、真琴も声を上げた。
「ねぇ、時期的にも良いじゃないの?」
祐一は上目使いで美汐を見つめた。3人に畳み込まれ、美汐はついに折れた。
「はぁ、しょうがありませんね。今回は試験的にですよ。」
「うん!だから美汐ちゃん大好き!」
その言葉に、美汐は顔を赤くし、真琴は不機嫌になった。
「それでは、行きましょうよぉ〜」
その空気を読めないのか、幸大が離れに向かって歩き始めた。それに残りの3人が続く。
「あぅ〜」
その恨めしそうな声は、祐一に届いたが祐一には何の事だかさっぱりだった。
天野三姉妹について
天野家の人間以外は真琴と幸大は美汐の妹と弟ということで認知されています。
実際に真琴も幸大も人間の振る舞いをしているので、外部の人が二人が眷属の者だとは知りません。
真琴と幸大は学院には通っていませんが、実力はかなりの物を持っています。
あとがき
いきなりで申し訳ありませんが、最近ウィルスメールが多々送られて来るんです。ちゃんとメールしたのに
返事が来ないという方がいたら、申し訳ないのですが、もう一度メールしてもらえませんか?
メールをくれるのは嬉しいのですが、ウィルスメールは嬉しくありません。意見とか、指摘があるなら、
ウィルスメールではなくちゃんとしたメールを送ってきてください。なんだか、愚痴っぽくなってしまいましたね。
第十三話を読んでいただきありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね。ゆーろでした。
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