貴女が問う。彼が問う。私が問う。世界が問う。
シリアスじゃないお。コメディだお。でも作者へたれだから多分意味不明なほのぼのになる可能性もあるだお。
蹂躙された心。その奥の、ガラスで目張りされた色の闇。下らない哄笑に続く物語。

大きなお城と、お姫様と、魔王と勇者。そんな変てこな夢を見た。

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、

同じことを聞かれ続けたけれど、そのたびに答えが違っていた気がする。

なんと、問われたのだったか。

…………ああ、そう。そうだ。こう問われたのだった。

「アナタは誰ですか?」




































覗けた鏡の向こう側 始まりの、それに当たる余話
少男と女の違い。 そんなもの、明確に表記してもそれほど難しいことではない。 男性器と女性器の違い。喉仏の有無。骨格的な構造。本能で刻み付けられた、オスとメスのDNAの差。 せいぜいその程度だろう。もちろん、その差が大きいのか小さいのか、それすさも個人の解釈によって如何様にも変わってくる。 いまや、男が女に、女が男になるのだって不可能ではない時代だ。 それもそうなのかもしれない。 神への冒涜だ云々と抜かそうが、その神が実際に「私神ですよー、あなた助けますよー」と言って人を助けたことなど皆無だろう。 親に失礼だ、というかもしれない。 けれど、親は生まれてくる子供が男か女かは選べない。それこそ「ならば何故○に生んでくれなかったのですか?」と、言われる。 男に生まれたかった。 女に生まれたかった。 そういう人は、結構いるかもしれない。いや、実際にいてもおかしくはない。 けれど、相沢祐一はそれを理解できるとは思わないし、理解しようとも思わないし、理解したくもない。 男であるこの身体は、女ではないが故に充実しているからだ。 例えば、女のように外見や服飾に気を使うなぞ、男である祐一には最早なんの意味も成さない無駄な行為である。 風呂に入ればそれが一番綺麗で、箪笥の一番上にある服が今日のマイフェイバリットな祐一だ。 スカートの長さ、メイクの度合い、お洒落やらメガネはかっこ悪いやらで眼球にレンズをはめる人間の気が知れない。 兎にも角にも、祐一は男という概念の元に生まれてそれが当たり前のように(勿論当たり前でなければ困るが)育ってきた。 男は女を守らなければいけないし、涙もろくてはいけないし、好き嫌いがあってもいけないし、恋人は右手でなくてはいけないのだ。 女は違う。いや、今の時代は男女平等。違わないのかもしれないが、右手が恋人の女性は多分あまりいないだろうと思索する。 ああ、馬鹿なことを考えているな、と祐一は渇いた笑みを漏らしながら自分を詰った。 けれど、それは仕方が無いことなのかもしれないとも思う。 だってこんな可能性は在り得ないと思っていたから。考えたこともない。 だからこんな馬鹿なことを考えて、つまるところの現実逃避でもやっちゃってみたりするのだろう。 祐一は、高く響く、それでいて渇いている変な度合いの声を小さく出しながら視線を下に移した。 華奢な腕が見えた。つい数ヶ月前まで、生霊やら狐やら魔物やらジャムやらと対峙していた自らの豪腕(祐一主観)。 それは一度振るえば名雪が怒り、あゆが泣き、香里が呆れ、真琴が切れ、北川を沈ませた自慢の恋人(祐一主観)。 それが今はどうだ。 天野のように白く、舞のようにいい形で、佐祐理さんのように色っぽく、栞のように幼いけれど、秋子さんように完成されている。 今度は、自分の首元に触れてみる。 スル、と滑らかなにありえない感触がした。そう、眠っている名雪のうなじを、悪戯になぞったあの時と同じ感触。 どういうことだ。自分の喉には、ぷっくりと突き出る、低いテナーをかもし出す喉仏があったはずだ。 唾を飲めば上下し、カラオケにいけばブルブル振るえ、殴られるとめっちゃ痛い喉仏が存在していたはずなのだ。 それがどうだ。まっさらな平地になっているではないか。 関東平野もかくやの如くなにもない喉に、祐一は中に引っ込んでしまったのではないかと思い慌てて喉に指を突っ込んだ。 結果、なぜか舌に酸味が残り頭痛が酷くなりあまつさえ結局喉仏は現れなかった。 激凹んだが、そうも言ってられない。 祐一は今度は、もう元凶というか今まで見て見ぬふりをしていたそれに視線を向かわせた。 胸。 祐一にとっての胸の全てとは、自分の主観でいえば厚い胸板のあるそれだ。 乳首にはちょろりと毛が生え、何でも男でも性感帯らしいが、さすがに触るのは自分が哀れすぎたのでその行為を封印した場所。 ――――……でかい。 ただそれだけ。真の言葉は長く装飾する必要はなく、それゆえに人間はたった一言でも感動を表すことができる。 おぉ、あぁ、に始まり。そう、同じ発音を二つ繋げた言葉は、つまり感銘を受け驚きのある人間の最初の言葉として正しいのだ。 だからこそ祐一が短い言葉で感想を述べたのは正しい。 これが、 「私の鎖骨下にある二つのふくらみは恐らく何十センチというありえざる大きさを持って絶対的位置エネルギーで確立存在し云々」 などと続けば、最早祐一の脳味噌では後半を聞いてる時には前半は霞みかがったように忘れさられていた事だろう。 そう、でかかったのだ。 祐一の胸は、胸板とか、そんなものじゃなく、 脂肪。つまり、胸があった。いや、胸がない人間なんて多分いないと思うが、女性的にいう脂肪の塊が二つありました。 きっと牛乳(人間の乳は牛乳とは言いませんので悪しからず)が詰まってるからこんな胸なんだろうなぁ、なんて考えてみる。 腐らないのかなぁ、と昇華されたところで、女性の胸に牛乳は詰まってないことに(あまつさえ牛乳ではない)事に気付く彼は十七歳。 さて、状況証拠は尽く揃いつつある。 喉仏がなく、骨格は変で、脂肪の塊がどんと出てきた。 ここが水瀬家の自分の自室であるからには、顔に傷のある人の変な解剖手術をやられたということでもないらしい。 ろけっとぱーんちー、と声に出してはみたものの、無駄に高いソプラノがよく響くだけだった。 とりあえず、だ。うん、相沢祐一。最後の希望の塞、恋人の相方、つまりは殿様を閲覧してみようじゃないかね? ぐっ、と寝巻きに指をかける。随分とたるみのあるそれのおかげで、しかも細い指はするりとそこにのめりこんだ。 触ってみるという選択肢もあった。が、人間は視覚に頼り視覚が発達した種。 それを使わないのでは、進化過程の猿だかサピエンスさんだかに勿体無いではないか。 ごくり、と唾を飲み込み、頭の中で何か色々な方程式も出来上がり、祐一は思い切って寝巻きをぐいと引いた。 ――――――ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁああぁぁあああぁぁぁあーーーーーーー!!!!! 同時刻、水瀬秋子はトーストが焼きあがった「チン」という電子音をその叫びで聞き逃し。 水瀬名雪、月宮あゆ、沢渡真琴の私情最も長いであろう一日は、最大級の寝起きの驚きと共にこうして始まるのである。 あとがうぇい(あとがきの道という訳。=意味不明) 相沢祐一は一体どうなってしまったのか!? ……既に答えを言っているようですが、まだ明確には表記してません。 むしろ、これを書いていて自分は本当に人間としての常識があるのかと。 半端な知識はうざったいだけですが……まあ、付き合ってもらえれば助かります。 はてさて、世界観的には、ALLエンドの三ヵ月後、とりあえず春を予定しております。 なんか最初の記述でシリアスっぽいこと書いてますが、もちろんんなことはありません、バリバリに馬鹿全開なお話しです。 壊れた世界観。ありえない視点での物語り。百合の匂いが濃厚だぞ自分。 ちなみに、一話とか二話とかつけないのはただの趣味みたいなものです。 今更一話だとか二話だとかあっても、サブタイ以外気にする事でもないしね?(爆) うーむ……暇だから、あとがきにも何か付録みたいのを付けてみよう。用語録はもうやったネタだから、↓に。 今日の祐一君(?)「トイレと体育の時はどうすりゃいいんだーーーー!!!」
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